建売住宅のインテリアは、購入希望者を限定しないために、あえてシンプルなカラーリングや、どんな家具を持ち込んでもあわせやすい無難なデザインとしている場合が大半です。また、家具やカーテン、照明などをセットで販売している場合も同様に「多くのお客様が嫌わないもの」をベースとして選定されています。しかし購入を検討するご家族にとって、新生活をスタートする住宅は無難なもので妥協せずに「家族のこだわりを詰め込んだ納得のマイホームにしたい!」と思われるのは、当たり前のことです。 建売住宅の場合、外周りの素材や色合い、間取り、住宅設備の取り付けなど、全て完成しています。実物が確認できるので、生活している姿を想像しやすいメリットはありますが、気になる部分があっても違うものに変更することは現実的ではありません。そのような建売住宅の場合でも、個性を発揮できるのはインテリアです。家具、小物のコーディネート、家具とカーテンのカラーリングを整えていくと、自分たちらしいマイホームを叶えることができます!そこで今回は、建売住宅のインテリアの特徴や建売住宅を購入する際の注意点やインテリアコーディネートのポイントなどについて解説します。建売住宅のインテリアの特徴一般的に販売されている建売住宅のインテリアによく見られる特徴について紹介します。よくある無難なインテリアが多い建売住宅は、できるだけ早く売り切るために、購入を検討するお客様の間口を広げることを最優先として計画されています。そのため、インテリアは多くの人に受け入れられやすい無難なコーディネートで計画されます。例えば、壁や天井のクロスの場合、好みの分かれる色味や個性的な柄物は避けて、オフホワイト~ベージュよりのナチュラルな無地のものが使用されることがほとんどです。家具がインテリアコーディネートされている物件もある出典:Praemioコーディネート事例建売住宅の中には、ソファやダイニングテーブル、ベッドなどの大きな家具をあらかじめセットで販売している場合もあります。例えば、コンセプトを明確にして計画された建売住宅のケースや、内見用のモデルハウスとしてある程度の期間後悔していた物件や体験宿泊で使用していた物件を売却するケースなどで、展示場同様におしゃれな家具がコーディネートされています。ただし、内見用物件の場合、不特定多数の方が腰掛けたり、商談会場として使っていたりするので「程度の良い中古の家具」であると認識する必要があります。その他、販促イベントとして「家具プレゼント」キャンペーンなどを行っている場合もありますが、ダイニングセットやベッドなど家具単体のプレゼントであり建物に合わせてコーディネートしているわけではないことが大半です。インテリアコーディネーターが付かない建売住宅は、「完成物件」の販売であることや、建物価格をできる限り抑えるなどの理由で、購入後に相談できるインテリアコーディネーターが配置されていないケースがあります。TVの壁掛けや照明の直付けが出来ない壁や天井の下地は、特に指示がない場合、石膏ボードが貼られています。石膏ボードは重量物を支えることができないため、請負住宅の場合、壁掛けTVや照明を取り付ける予定の壁や天井は、下地をベニヤ板などに変更します。また、照明を増設したい場合、配線が露出になってしまうなどスッキリとした見た目にならない場合もあります。建売住宅をインテリアコーディネートする時の注意点建売住宅を個性的に彩るインテリアコーディネートを計画する際の注意点や事前に確認しておくべきポイントについて紹介します。家具が階段を通るか確認するベッドなど、2階に置きたい大型家具の搬入経路を確認しましょう。階段や通路の幅が通るかに加えて、玄関から階段までの曲がり角がある場合の取り回しやL字階段やU 字階段の曲がり部分でどのように運ぶかシミュレーションが必要です。大型家具の場合、縦にして運ぶこむことも多いので、天井の高さや手すりの高さの確認も忘れず行いましょう。特に注意する必要のある家具は、脚の取外しが出来ないソファ、マットレス、ベッドフレームです!カーテンレールを取り付ける下地が入っているか確認する出典:Praemioコーディネート事例建売住宅でのカーテンの取り扱いは、物件によってカーテン込みで販売している場合、レースレールのみ付属している場合やリビングダイニングだけ選定されている場合、自分で準備する必要がある場合など様々です。カーテンは、部屋のコーディネートを印象付ける大切な要素のため、セットされているもの以外のお好みのデザインへ交換される方もいらっしゃいます。その場合、カーテンレールもお好みのものに変更されることも多いです。変更する場合や新たに取り付ける場合は窓の上部分の壁に下地があるかを必ず確認してから作業を進めましょう。照明の取り付け位置に注意するこちらは実際に現地採寸をした時に撮ったものです。一般的に照明は、部屋の中心に配置しており、部屋の広さに合わせて照度が設定されています。ダイニングテーブル上部の照明としてペンダントライトを使用している場合、ダイニングテーブルの配置やテーブルの向き、サイズがある程度限定されてきます。家具選びの際に照明計画に合わせて選ぶようにする、もしくは、選んだテーブルに合わせて照明を選び直すことも考えておきましょう。エアコンと家具が干渉しないように注意するこちらは納品後の写真です。カーテンボックスとエアコンの隙間がギリギリです。きちんと採寸したのでピッタリ入ったのですが、採寸していなかったらエアコンと干渉してしまいカーテンボックスが入らなかった可能性もあります。。また、建売住宅では、エアコンは標準装備されているか、エアコン用のコンセントが設定されていることが大半です。大きな家具をエアコンの近くに置くと、風の通り道を遮ってしまうなど、冷暖房効率が悪くなってしまいます。カーテンとの干渉の他にも冷暖房が部屋全体にいきわたるような家具配置をして、無駄なエネルギー消費や光熱費を削減するよう心掛けましょう。コンセントの位置を確認してレイアウトするリビングでは、テレビ設置場所回りのコンセントの個数が増やしてあるなど、基本的な家具の配置が想定されています。個室の場合は、入口近くの一か所、または、対角線上に二か所設定されていることが一般的です。コンセント位置を意識しながら、電化製品の配置や家具のレイアウトを考えましょう。建売住宅で必要なインテリア建売住宅を購入した際に、準備の必要なインテリアについて紹介します。インテリアには、室内で生活する中で必要なあらゆるものが含まれます。カーテン類など窓周りのもの出典:サンゲツ建売住宅では、販売価格を抑えるために全ての窓に網戸が設定されていないこともあります。必要な箇所に設置されていない場合は追加します。カーテンを選ぶ際は、形状や生地、レースカーテンが必要かなどを確認しましょう。左右に開くドレープカーテンや上部に折りたたむように集めるシェードなどの形状だけでなく、お好みに合わせてひだのボリュームやイメージに合わせたカーテンレールも選択します。部屋の用途やお好みによっては、ブラインドを設置する場合もあります。アジアンテイストのリビングの場合、ウッドブラインドはよく使われています。また、ほとんど使用しない部屋やこだわりのない部分であれば、既製品のカーテンを購入して取り付けることもできます。天井に取り付ける照明照明は、取り付け場所までの電気配線と引っ掛けシーリングの取り付けまで済んでいるため、必要なデザインや機能を選びましょう。照明がインテリアのイメージに与える影響は大きいです。建売住宅では、壁付け照明の追加が難しいので、スタンドライトやスポットライトを取り入れて、理想とするイメージに近づけることもできます。また、LEDを使った照明は、機種代金は比較的高額ですが、通常の電球の数倍長持ちする上、光熱費も抑えられます。使う頻度の高い部屋や吹抜け上部など交換の手間が掛かる場所では特におススメです。キッチン収納などの収納類キッチンで、食器や食品のストックの保管場所が不足している場合、収納が必要です。スペースに余裕がある場合は、キッチンと同じシリーズの背面収納や家電収納を設置すると一体感のある空間にできます。家電収納には、蒸気処理機がついているので家電製品を表に出さずにスッキリさせたい場合にピッタリです。また、リビングやダイニングにも必要に応じて収納棚や収納ラックを配置しましょう。「いつ誰が使うものか」「どのくらいの頻度で使うものか」などを考えて、使いやすさとデザインを兼ね備えたものを探すようにしましょう。ソファやテーブルなど家具出典:Praemioコーディネート事例ソファやダイニングテーブルなど大型家具は、一度購入するとなかなか買い替えが難しいものです。新調する場合は、サイズ感や使い勝手、デザインなどを総合的に判断して慎重に決定しましょう。アートや植物など小物類出典:Praemioコーディネート事例生活空間に彩りをプラスするアートや観葉植物も、ご自身らしさを出せるポイントです。カラーリングや部屋全体のコンセプトに合ったものを選ぶとおしゃれな雰囲気を出せます。建売住宅でインテリアコーディネートするコツ建売住宅で、自分らしいお家にするためのインテリアコーディネートのコツをご紹介します。1.インテリアの方向性を決めるご家族全員で、好みのデザインや色味を話し合って方向性を決定しましょう。どんな暮らしをしたいのか?どんなテイストだったらそこで過ごす人が気持ちよく過ごせるのか?そのためにはどんなレイアウトや素材感がいいのか?まずはゴール・方向性を決めましょう。2.お部屋と搬入経路を測る家具の搬入経路や設置場所のサイズを計測しておきましょう。また、バルコニーやウッドデッキなど玄関以外から搬入可能な経路があるかどうかも確認しましょう。3.レイアウトを決める希望するインテリアの内容を全て書き出して、図面にレイアウトしてみましょう。4.必要な家具と予算を決める書きだした中で優先順位をつけて、必要な家具を決定します。予算の兼ね合いもあるので、難しい場合は、急ぎでないものは後から買い足すようにするなど工夫していきます。建売住宅のインテリアに迷ったら・・?建売住宅は、購入を決めてから引き渡しまでのスケジュールがタイトです。また、人気のある物件の場合、検討期間が区切られており、決断できなければ予約の順番を待っている他のお客様に購入権利が移ってしまいます。限られた時間の中でインテリアコーディネートの方向性や必要となるコストをスピーディに把握するには、インテリアのプロに相談してアドバイスを受けることもおススメです。家具屋さんでコーディネートしてもらう家具屋さんを、見に行く際に建物の図面を持参すると、その場で希望の家具を部屋に配置するとどうなるかを。簡易的な図面やパースを作成して説明してもらうことができます。希望するイメージや予算を伝えれば、部屋全体のイメージがちぐはぐにならないような商品を提案してもらうことも可能です。インテリアショップでは、そのブランドのコンセプトに合う小物を取り扱っていることも多いので、部屋全体のトータルコーディネートを依頼できます。家具付きの建売住宅を購入する家族のイメージにピッタリ合う、コンセプトに沿ってコーディネートされた建売住宅に出会った場合、建築場所や費用においても問題がないならば、最もおススメの物件といえるでしょう。インテリアのプロに相談する上記のような必要な条件にも好みにもぴったり当てはまる家具付きの建売住宅と出会える確率は稀です。よって、建築地や間取り、外観、コストなどで納得のいく建売住宅を見つけて、インテリアを丸ごとプロに任せるという方法もあります。引越し前であれば、アクセントクロスやタイル貼りを取り入れる、照明やコンセントなどの配線を追加するなど、狭い範囲であればコストを抑えながら、建物自体に手を加えることもできます。また、カーテン、家具、雑貨などだけでなく、キレイな状態を持続するための収納内部の整え方など住まいに関するあらゆる相談にアドバイスをもらうこともできるはずです。コストバランスを考えながら、ご自身で家全体のインテリアをコーディネートするのは、かなり難易度が高いので、悩んでしまわれるのは当然のことです。インテリアのプロを交えて検討すれば、建売住宅をご家族らしさにあふれたマイホームへ作り変えることができます。建売住宅を検討する際には、ぜひ一度Praemioへご相談ください。