北欧風のリビングにしてみたいけど、具体的にどのようにすれば北欧風のお部屋になるのか迷ってしまいますよね。そこで、基本的な北欧インテリアの特徴や魅力を解説しつつ、実例を交えながらプロの目線で北欧風リビングの作り方のステップをご紹介します。関連記事【2025年版】北欧家具ブランド15選|長く愛される名作と選び方のコツインテリアの種類13選!テイスト別の作り方をプロが徹底解説します。「北欧風リビング」とは?特徴と魅力を知ろう北欧風リビングの特徴を簡単に解説すると、シンプルで機能性が高く温かみもあるインテリアのことです。北欧はヨーロッパ北部のデンマーク・フィンランド・スウェーデン・ノルウェーの4カ国を指しており、いずれの地域も昼間の時間が短く寒い地域です。そんな厳しい地域のため、家の中で過ごす時間も他の国より長く、必然的に「快適に過ごせる家造り」に対して強いこだわりを持つ国民性になりました。そのため、多数の北欧家具ブランドも誕生しており、その機能性やデザイン性の高さから世界中で愛用されています。特に、高品質な木材を使用した家具の種類が豊富で、長年に渡って愛用できるためおすすめです。【ステップ1】リビングのテーマカラーを決める弊社実例:オシャレなカフェ風インテリアで新しい生活北欧風のリビングづくりでまず取り組みたいのが、「テーマカラー」を決めることです。空間に統一感を持たせ、おしゃれに見せるためには、色の選び方とそのバランスがとても重要。ここでは、北欧スタイルらしい配色と、色の使い方のコツをご紹介します。北欧風におすすめのカラー北欧インテリアでは、自然光の少ない冬の長い暮らしの中でも、心地よく明るい空間を作るために、やさしい色合いが好まれてきました。代表的なのは以下のような色です。グレージュ(グレー+ベージュ):洗練された雰囲気と温かみを両立ホワイト×ベージュ:清潔感とナチュラルさが際立つ王道の組み合わせくすみカラー(くすみブルー、スモーキーグリーンなど):彩度を抑えたニュアンスカラーがアクセントに。どれも目に優しく、家具や小物との相性がよいカラーなので、初心者でも取り入れやすいのが魅力です。配色は「70:25:5」が黄金比テーマカラーを決めたら、次はその配分を意識しましょう。バランスよく色を配置することで、プロのようなまとまりのある空間に仕上がります。ベースカラー(70%):壁や床、ラグなど大きな面積に使う色。グレージュやホワイトがおすすめ。メインカラー(25%):ソファ、カーテン、収納家具などに使う色。ベージュやくすみカラーが◎。アクセントカラー(5%):クッションやアート、雑貨などの小物に取り入れる色。ブルーやマスタードなど少量で効かせます。この配色バランスを意識するだけで、空間全体がぐっとおしゃれに見え、北欧らしい優しさと洗練が演出できます。インテリアのカラーコーディネートに関しては「インテリアは配色が決め手。カラーバランスや事例をプロが徹底解説」の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。【ステップ2】家具選びで北欧らしさを演出北欧風リビングのインテリアで家具を選ぶ際のポイントは3つです。北欧産の木材で選ぶファブリック系のソファを選ぶ自分の快適性を重視して選ぶそれぞれ、詳しく解説します。北欧産の木材で選ぶ北欧風な似せた家具ではなく、北欧産の良質な木材で作られた家具を選ぶようにしましょう。北欧は森林資源に恵まれた地域であり、デンマーク産のチーク材の他・ロースウッドやオークなど高級家具で使用される良質な木材が豊富です。高品質な木材で作られた北欧家具を部屋に置くと、似せただけの家具よりもしっかりとした存在感があるため、それぞれが各エリア内の主役にできます。ファブリック系のソファを選ぶベージュやグレーなどのアースカラーを基調に、ファブリックを使用した温かみのあるソファも、北欧家具の代表格です。特に、脚や肘置きに木材を使用したタイプは、北欧インテリアとの相性がよくおすすめです。また、ゆったり広めな北欧インテリアの雰囲気を崩さないために、重心が低く落ち着いたデザインのソファを選ぶと良いでしょう。自分の快適性を重視して選ぶ北欧家具の椅子の話題になったとき、必ず話にあがるのが「デンマーク人は初任給でイスを買う」という内容で、書籍化もされているほど有名な風習です。自分自身の快適な空間にお金や時間をかけるという、北欧ならではの風習を体現した逸話であり、北欧家具を選ぶ指針にもできます。つまり、見た目や機能性の良さはもちろんですが「自分がいかに居心地よく過ごせるか?」「自分のフィーリングに合うか?」という自身の快適性を重視して、北欧家具を選ぶ方が良いということです。【ステップ3】照明は「多灯×間接光」で雰囲気づくり照明選びも、部屋を北欧インテリアにするために欠かせない重要なポイントです。まずは、北欧ならではの照明への考え方を理解してから、照明選びのポイントを抑えるようにしましょう。北欧独自の照明への考え方を理解する日中の時間が短く、場所によっては太陽がまったく昇らない時期もある北欧では、夜の居住空間の照明にも強いこだわりがあります。日本でも徐々に考え方の変化はあるものの、基本的に日本の照明は「部屋を明るくする道具」としての認識が強いです。一方、北欧は照明を「リラックスするための道具」として考えており、生活の質を向上させるアイテムとして愛用しています。FLOSやルイスポールセンなど、世界を代表する照明ブランドが北欧から生まれた経緯も、照明にも強いこだわりを持つ北欧地方の考え方が強く影響しています。多灯照明をベースに考える弊社実例:オシャレなカフェ風インテリアで新しい生活北欧ブランドの照明は、特徴的でユニークなデザインが多数ありますが、これらの照明を組み合わせて多灯照明で配置すると北欧テイストにできます。日本ではシーリングライトを1つで部屋全体を明るくする家が多い一方、北欧ではペンダントライト・テーブルランプなど複数種類の照明を組み合わせています。つまり、照明は部屋全体を明るくするものではなく、人が集まる場所にピンポイントで照明を配置していくという考えです。シーリングライトを使わない北欧インテリアを目指すなら、まずはシーリングライトのような部屋全体を照らす照明をなくすことからスタートしてみましょう。シーリングライトを消して部屋を暗くした状態から、徐々に必要なポイントに照明を足していくと、陰影や立体感を確認しながら配置できます。【ステップ4】ファブリックと小物で空間に動きを出す弊社実例:やわらかく、優しいインテリア北欧風リビングの小物選びは、3つのポイントを抑えましょう。アクセントカラーとして小物を使う動物や植物モチーフの小物を選ぶクッションカバーにもこだわるそれぞれの内容について、解説します。アクセントカラーとして小物を使う配色で使われる黄金比は70:25:5の割合でベースカラー:アソートカラー:アクセントカラーが基本とされています。北欧インテリアは、落ち着いた色合いのアースカラーがベースカラー・アソートカラーになるため、アクセントカラーはビビッドなカラフルな色合いとの相性が良いです。配色カラー上でも5%以下の割合のため、差し色のような使い方で、カラフルな北欧インテリアの小物や雑貨を選ぶと良いでしょう。動物や植物モチーフの小物を選ぶ北欧インテリアでは、屋内でも自然を感じられるようボタニカルデザインな小物や、動物をモチーフとした雑貨も豊富です。スウェーデンの陶芸家「リサ・ラーソン」さんが作る、丸いフォルムの可愛らしいライオンは、インテリアショップなどで一度は目にしたことがある人も多いはず。「デンマーク人は初任給でイスを買う」という話と同様に、自分のお気に入りを探す感覚で、動物や植物系の小物を選んでみましょう。クッションカバーにもこだわるクッションカバーはテーブルやソファなどと比べると、つい軽視してしまいがちな小物ですが、こういった細かい部分にこだわってこそ北欧テイストに近づきやすくなります。マリメッコに代表されるカラフルテイストのクッションカバーは、アクセント用にも使いやすく、手軽に北欧っぽい部屋にできるためおすすめです。【ステップ5】空間を“余白”で整える北欧風リビングを完成させる最後のステップは、「余白」の使い方です。家具や雑貨をたくさん置くことでおしゃれになると思いがちですが、実は北欧インテリアの魅力は“引き算”の美学にあります。必要なものだけを選び、余白を上手に残すことで、空間にゆとりと洗練が生まれます。 詰め込みすぎない「引き算」の意識を持つたとえば、壁面をすべてアートで埋め尽くしたり、棚の上に小物をぎっしり並べたりすると、視線の逃げ場がなくなり、落ち着きのない印象になってしまいます。あえて“何も置かない”スペースをつくることで、主役の家具や照明が引き立ち、空間に呼吸が生まれます。インテリア上級者ほど「何を置くか」ではなく、「何を置かないか」を意識しているもの。お気に入りのアイテムこそ、余白と一緒に魅せてあげましょう。スタイリングのコツは「三角形」と「余白の活用」弊社実例:懐かしの、海外のインテリアをつくりたくて物の配置にはバランスが重要です。北欧風スタイリングにおすすめなのが「三角形配置」。たとえば、背の高いフロアライト・中くらいの観葉植物・小さなサイドテーブルを組み合わせて三角形になるように配置すると、自然なリズムが生まれ、視覚的にも安定感が出ます。また、壁・床・家具の間に“空間の抜け”をつくることで、実際の広さ以上に広々と感じられます。とくにリビングの「抜け感」は、くつろぎやすさに直結する大切な要素。あえてソファを壁にぴったりつけず、少しだけ浮かせるのも一つのテクニックです。このように、インテリアの仕上げに「余白」を意識することで、シンプルながらも洗練された北欧風リビングが完成します。空間の静けさとあたたかさが共存する、心地よい暮らしの第一歩です。北欧風リビングのテイスト別スタイル3選北欧風リビングの代表的なスタイルは、主に3つのタイプに分かれます。北欧×ナチュラル北欧×モダン北欧×ヴィンテージ同じ北欧でも、あわせるスタイルによって随分印象が変わるため、理想的なイメージがどのパターンに近いか把握しておきましょう。それぞれのタイプの特徴や、そのスタイルにするためのコツを解説します。北欧×ナチュラル|木と白でまとめた優しい雰囲気北欧ナチュラルは、北欧テイストのインテリアにナチュラルテイストをかけあわせたタイプで、北欧インテリアの王道的な存在です。ナチュラルテイストのインテリアは、シンプルで明るい色合いの木材家具を多く使用するため、ベースは北欧インテリアと似ています。ナチュラルと北欧ナチュラルの違いとして、北欧ナチュラルは全体的に無彩色カラーを中心にしており、アクセントカラーを取り入れることです。手軽に北欧ナチュラルにする方法として、無印良品のようなインテリアをベースに、鮮やかな色合いをアクセントに加えるやり方がおすすめです。北欧×ナチュラルの実例メインカラーをベージュでコーディネートしたお部屋の事例です。北欧インテリアならではの落ち着いた空間を体現したケースで、アースカラーな色合いのベージュに、丸みのある家具を配置しリラックスできる雰囲気にしました。クッションカバーやランプで使用している黒色は、使う量が多いとモダン寄りな雰囲気になりますが、このケースのように差し色程度で使えば適度に空間を引き締めるためおすすめです。〜上記で紹介した弊社事例はコチラ〜・日常にくつろぎの時間を北欧×モダン|黒・グレーを使って大人っぽく北欧ナチュラルでは北欧ナチュラルはホワイトやグレーといった明るいカラーが中心だったのに対し、ブラックやブラウンなどの暗い色合いも多様してコントラストを効かせます。空間のメリハリは北欧ナチュラルより強くなる他、陰影を強調しすぎるとただのモダンインテリアになってしまいます。そのため、ベースを北欧風にしながら、適度にモダンテイストを取り入れていく形がおすすめです。モダン要素の具体例として、モノトーンやブラウンカラーを取り入れる他、直線的なデザインの家具や鏡やガラスなどの木材以外の家具を使う方法があります。北欧×モダンの実例白をベースに、直線的なテレビボードや脚の細いローテーブルでモダンな要素を取り入れた事例です。天井は木目調でナチュラル寄りなお部屋のため、主張の激しいパキッとした白・黒などは使わず、曲線が特徴的なスタンドライトや丸みを帯びたソファやテーブルをあわせています。一転して、こちらはブラウン系のテイストでまとめた北欧モダンなお部屋です。暖色系で落ち着いた色合いの中に、スタイリッシュなデザインのダイニングテーブルや、ガラス素材を使用したソファテーブルを使用し、モダンテイストに仕上げています。〜上記で紹介した弊社事例はコチラ〜・ナチュラルだけど、ホテルライク・しっぽりと過ごしたい夜に北欧×ヴィンテージ|チーク材や古材を活かす北欧ナチュラルが明るい色合いの木材家具を多用するのに対し、北欧ヴィンテージでは少し暗い色味をした木の家具や、アンティーク家具も使用します。1950〜1960年に流行したミッドセンチュリーデザインも取り入れており、レトロな懐かしさでリラックス空間を作るのが北欧ヴィンテージの特徴です。アンティーク家具をあわせるのはもちろん、使うほどに味のでる本革を使ったソファや、真鍮のような少しくすんだ金属素材の照明や家具も北欧ヴィンテージ感が強くおすすめです。北欧×ヴィンテージの実例北欧ナチュラルやアンティークでは、全体的な色味を抑えつつ、アクセントカラーとしてクッションカバーや小物で色を加えるケースが多いです。一方、北欧ヴィンテージではシンプルな白を基調にしつつも、濃いめのブルーやグリーンなどのカラーも積極的に使用します。木材家具やレザーソファーを使用して暖色系の灯りで温かみのある空間にしながら、ポイントではっきとした色味が入ることでレトロな空間にしています。ダイニングテーブルには、あえてバラバラの椅子を選ぶようにし「不揃いだけど、なんだか落ち着く」という雰囲気でコーディネートしている点にも注目してください。たくさんの酒瓶が並んだバーや、店主の収集品に溢れた純喫茶が落ち着くのと同じように、あえて「ごちゃっと感」を出すことでリラックスできる空間になります。〜上記で紹介した弊社事例はコチラ〜・グリーンのアクセントが効いている都会的×カジュアル北欧風リビングのコーディネート実例北欧インテリアのコーディネート事例を紹介しながら、北欧テイストにするため4つのポイントを解説します。木製家具や小物を取り入れるファブリック素材の使用する丸みのある家具を選ぶ1点ずつこだわった多灯照明それぞれ、くわしく解説します。木製家具や小物を取り入れる北欧インテリアに木製家具は欠かせません。北欧の特徴として一つの家具を長く使い続けるのはもちろん、親子で引き継いで大事に愛用する風習もあります。そのため、北欧ブランドの木製家具は、かなり品質も高く経年変化も楽しめる味わい深い家具が豊富です。ダイニングのダイニングテーブルなど、部屋の主役になる家具には、ぜひ北欧生まれの木製家具を取り入れてみましょう。木製家具だけではなく、木製フレームの絵や置物などの雑貨類を置くのもおすすめです。木製小物に観葉植物を組み合わせると、より自然を感じられる雰囲気になり、北欧テイストの強いお部屋にできます。ファブリック素材を使用する木製家具とあわせて積極的に取り入れたいのは、布の質感がわかるファブリック素材のソファです。コーデュロイ素材のソファなど、変わった素材のファブリックソファは、素材感だけで部屋の主役にできます。ソファ以外に取り入れたいファブリックアイテムは、クッションカバーです。部屋全体のインテリアで見ると軽視しがちですが、クッションカバーのような細かい部分までこだわると、コーディネートレベルもアップします。幾何学模様のクッションカバーは北欧テイストの代表格で、手軽に北欧風にできます。丸みのある家具を選ぶ北欧インテリアの落ち着いた雰囲気を強調するため、丸みのある家具を取り入れる方法もおすすめです。お部屋のアクセントにできる他、ゆっくり過ごせる空間の雰囲気作りにも役立ちます。丸みがありながらも天板の薄いテーブルや脚の細い家具を配置すれば、スタイリッシュさもプラスできるので、北欧モダンな部屋にしたい場合におすすめです。1点ずつこだわった多灯照明北欧インテリアでは、シーリングライトのような部屋全体を照らす灯りは不向きで、人が集まる場所に照明を配置するのが基本です。ダイニングテーブル上・リビングのソファ・読書用のパーソナルチェアなど、それぞれのポイントに灯りを置きつつ、間接照明を活用した多灯照明にしましょう。北欧ブランドの照明が1つあるだけでも、かなり部屋のテイストを変えられます。ガラスボールが印象的なFLOSの「IC Lights」は、シンプルさとスタイリッシュさで北欧モダンな雰囲気にぴったりです。写真右側の&Tradition「Flowerpot 」は、複数のカラーバリエーションがあります。シンプルカラーなら北欧ナチュラルな雰囲気にぴったりで、色味の強いタイプならミッドセンチュリー感たっぷりの北欧ヴィンテージテイストな部屋にできます。まとめ|北欧風リビングは「色」「素材」「照明」がカギ!北欧インテリアとはどのようなものなのか解説しながら、北欧風リビングの作り方やアイデア、具体的な実例を紹介しました。北欧風リビングはリラックスできる快適性を重視北欧風リビングは「色」」「素材」「照明」がポイント北欧ナチュラルを王道にモダンやヴィンテージと組み合わせたスタイルも有名北欧インテリアは、おしゃれでありながら居住生活の快適性に重点を置いたスタイルが特徴です。機能性とデザイン性が進化し続けている日本住居との相性もぴったりなので、自分好みなスタイルで北欧風リビング作りを楽しんでみてください。