新築を建てたいと考えたら、まずは何から始めればよいのでしょうか?土地探しから建物の予算の相場を調べたり、ハウスメーカーや工務店を調べて見学したり、平屋にするか2階建てか、間取りはどうしようか...最初に理想のイメージづくりを始める方が多いかと思います。では、内装や家具のコーディネートはどの段階で考えますか?家づくりの流れにおいて、後回しにされがちな内装や家具のインテリアコーディネートですが、、間取りのバランスやお家全体のインテリアテイストを決める上でも、インテリアは初期段階で検討しておくべき重要な要素の1つです。でも、新築の間取りなどのプラン中は内装や家具のコーディネートまで意識が回らず、意外とトータルコーディネートができないのが現状です。自分で出来そうだからやってみたけど、出来上がってみたら内装の色味がチグハグだったり、内装と家具の組み合わせに統一感がなかったり、家具の大きさと間取りのバランスが合っていなかったり、、せっかくの個性的な新築のインテリアで失敗してしまうのは残念ですよね。とはいえ、これから新築を購入される方は「世界に1つだけの自分好みのオリジナルなインテリアコーディネート」を作りたいと思っている方も多いのではないのでしょうか。 そんな時に頼りになるのがインテリアコーディネーター。 「でも、インテリアコーディネーターって何をしてくれるの?」「家具を選ぶだけなら自分たちだけでも出来そう」という声もチラホラ・・ そこで今回は、新築を建てる時のインテリアコーディネーターの役割や、活用方法をお伝えします。関連記事:【インテリアコーディネートの依頼・相談】事例・費用相場・流れ・サービス内容について解説します新築でのインテリアコーディネーターの役割について出典:Panasonic新築を建てる時、内装や家具のコーディネートよりもまず先に決めるのが間取りですよね。一般的には、家族構成や必要な部屋数や収納量や必要なスペースなどを担当者に伝えて、間取りを決めていきます。ただ、この時に「実現させたいインテリアスタイルや、実際に置きたい家具のイメージ」を想像しないで間取りを作ってしまうと、、その後インテリアコーディネートをする時、家具は配置できても通路動線が窮屈になってしまったり内装や設備の色との組み合わせがちぐはぐだったり「この家具を置くなら、窓はもっと縦長が良かった・・」「ここに壁は、いらなかったかな」など後から「やっぱりこうすれば良かった」という意見が出ることも少なくありません。実際に、間取りや内装を決めてからだとインテリアコーディネートの幅も狭くなってしまうのは事実です。なので、新築で間取りを決める時は「くつろげるリビングスペース」「食事や友人を招くダイニングスペース」という空間のイメージだけでなく、「カウチのソファを置いて、4人で過ごせるリビング」「最大6人でも使えるテーブルを置けるダイニングスペース」「部屋に入った瞬間にパッと目を引くアートを飾れる壁」といったような、具体的に必要な家具のイメージやサイズ感を伝えて、実際の家具を置いた後の実現させたい暮らしのイメージをより詳しく担当者と共有していくことが大切です。ただ、自分だけでふわっとしたイメージをきちんと具現化させて的確に担当者さんに伝えるのは難しいもの。そんな時お客様に寄り添って、担当者との間を取り持ちながら生活スタイルや実現させたいインテリアイメージを伝える”橋渡し”のような役割をするのが、インテリアコーディネーターです。ほとんどの方がマイホームの購入は一生のうちに1回〜数回きりだと思いますが、インテリアコーディネーターは、いろんなお客様の現場や物件を見て家具や内装の選定の経験も豊富な「暮らしやインテリアのプロ」です。初期の段階からインテリアコーディネーターがいれば、より具体的に暮らした後や家具のインテリアをイメージしながら間取りや内装を決めていくことができます。新築の内装をインテリアコーディネーターと一緒に決めるメリット1、選ぶ手間や時間が短縮される内装というと「床・壁・天井」がすぐに思い浮かぶと思います。新築で家を建てる場合はこれらに加え、扉・巾木・廻り縁・取手・スイッチなど、とても多くの決めていかなければならない箇所があります。新築マンションではある程度パッケージ化された選択肢から好みの雰囲気のカラーを選ぶところもありますが、オプションでの追加や、新築戸建てやリフォームをする際は基本的にパッケージ化などはないため、お部屋ごとに細かい部位まで決めていく必要があります。たとえば床材は、フローリング、タイル、クッションフロアなど素材を選び、次に柄やカラーを選んでいきます。メーカーもたくさんありますし、材質によるお手入れのしやすさや床暖房対応の有無などの機能性も考慮する必要があります。他の内装との相性や、家具が決まっている場合はその家具に合うものを選ばなくてはなりません。こだわればこだわるほど、内装選びには時間がかかってしまったり、色や素材の組み合わせで迷ってしまいます。そこで手助けに入るのがインテリアコーディネーターです。理想のお部屋のイメージや生活スタイル、配置予定の家具を伝えると、インテリアコーディネーターが家具イメージと一緒に内装の組み合わせを提案してくれます。「フローリングはこのメーカーのこの色を使いたい」といったように取り入れたい内装材が具体的に決まっている場合は、その色に合わせた他の内装材の提案を依頼することも可能です。インテリアコーディネートのプロに依頼することで、たくさんある内装材の選択肢を少なくすることで時間の節約にもなり、新居がより理想に近い空間になる可能性が高くなります。2、内装や家具選びの失敗を防ぐことができる出典:lixil自分で内装から家具選びまで、自分の好きなアイテムをそろえた空間を作っても、理想とはかけ離れた雰囲気の空間になってしまうこともあります。それぞれは好きな家具や内装材でも、いざ一つの空間に並べてみると統一感がなかったり、それぞれが主張しすぎて落ち着きのない空間に感じてしまうこともあります。また、家具の場合はデザイン重視で選んでしまいがちなので、サイズ感がお部屋に合っていなかったり、高さがお部屋での生活上使いにくかったりすることもあります。こだわりが強いからこそ起きてしまう失敗です。こだわりがある方こそ、インテリアコーディネーターへ相談することで家具のサイズや色のアドバイスからレイアウト、実際に置く家具との相性を考慮した内装全体のアドバイスを受けることができます。マイホームはこれから長い時間を過ごす場所かつ人生で大きなお買い物になるので、インテリアコーディネーターを上手く活用して家具と内装と間取りのバランスの取れた空間作りをしましょう。3、不要な工事を事前に防ぐことができるインテリアコーディネーターへの依頼することで、不要な工事な高い内装を勧められがちだと考えている方も多いのではないでしょうか。インテリアコーディネーターは内装や家具選びをお手伝いするパートナーの役割に位置します。基本的には工事を受注するわけではないので施工会社とは違い、第三者的な立場から内装の提案をしてくれます。自分で内装を決めていくと「施工会社にオススメされたし、エコカラットを入れたほうがいいのかな」「とりあえず、壁面収納をつくろう」など実際に家具を置いた後のイメージを無視して内装工事を決めちゃう方も少なくありません。しかし実際に家具を選んだり完成して暮らしてみると、「エコカラットを取り入れるなら、こっちの壁の方が良かったかも」「わざわざ壁面収納ではなく、置き家具でも良かった」という苦い経験をされた方も意外といらっしゃるようです。工事が必要なプランづくりからインテリアコーディネーターが関わることで、間取りも内装も無駄なく選定することが可能です。4、家具が配置された完成イメージに合わせて内装も選んでくれるインテリアコーディネーターに内装のみを依頼した場合でも、実際に置く家具のコーディネートを考慮した提案をしてもらえます。完成した後の暮らしをイメージして家具と内装を組み合わせたトータルコーディネートを提案できるのがインテリアコーディネーターです。家具の提案を依頼しない場合でも、購入予定の家具が決まっていたり今使っている家具をそのまま使い続けたい場合は、その家具の色や大きさをインテリアコーディネーターへ伝えることで家具の配置や色を考慮した内装の提案を受けることができます。家具をこれから決める予定の方や、購入を迷っている家具がある場合でも、インテリアコーディネーターが「実現させたいインテリアイメージ」に合うおすすめの家具の色やサイズの相談にも乗ってくれることがあります。具体的な家具の提案になると別途提案料金がかかることがありますが、家具選定を依頼しない場合でも内装決めの際には配置する(配置したい)家具の情報についても必ずインテリアコーディネーターへ伝えましょう。5、統一感のある空間にすることができる出典:lixilインテリア雑誌を眺めたり、おしゃれなインスタグラムなどのインテリア画像を検索してお気に入りの雰囲気のお部屋や家具が見つかっても、どのようにその雰囲気に近い空間を作っていくか迷われる方がほとんどです。自己流で内装や家具選びを進めていっても、出来上がってみると理想とは違う印象の空間になってしまうこともあります。特に内装選びは、空間の雰囲気を大きく左右する要素です。自身で床材や壁材などのサンプルを取り寄せて比較しても、小さいサンプルでは実際の色より暗く感じられることがほとんどなので、施工するとイメージしていたものとは違った印象の空間になってしまう可能性があります。この色の感じ方の違いは「面積効果」と言われていますが、インテリアコーディネーターからはこのような特徴も考慮され、全体のバランスの取れた空間のインテリアコーディネートや色選びのアドバイスを受けることができますよ。新築のインテリアコーディネート参考事例インテリアスタイル別に、内装や家具選びのポイントをお伝えします。北欧モダン出典:pinterest白木のフローリングにグレーを中心としたパステルトーンの入った温かみを感じられる北欧モダンスタイルのインテリアコーディネートです。フローリングの色とチェアの色を合わせているので全体の統一感が感じられます。丸みのあるデザインのチェアは視覚的にもやさしさと温かみが感じられます。インダストリアル出典:daiken工場を連想させる無機質な素材を取り入れたインダストリアルスタイルのインテリアコーディネートです。打ちっぱなしコンクリートをむき出しにした壁面が特徴的な空間です。天井の照明レールやダイニングチェアには工業的なパイプを連想させるブラックの細いラインを取り入れています。無垢や木目のあるダークブラウンのフローリングを合わせることで、落ち着き感も感じられます。こちらのお部屋はフローリングとダイニングテーブルのカラーを統一させているので、より落ち着いた印象です。ナチュラル出典:panasonic自然素材を中心に、色合いがシンプルなナチュラルスタイルのインテリアコーディネートです。ライトブラウンのフローリングに、同じ色味のダイニングテーブルとチェアを合わせています。さらに、扉やテレビボードも同じカラーを取り入れることで、お部屋全体が明るくやさしい印象に感じられます。お部屋の所々に観葉植物を追加することで、より自然を感じられる空間になっています。ビンテージ出典:Panasonic内装・家具共にユーズド感のある素材を取り入れたビンテージスタイルのインテリアコーディネートです。躯体むき出しの天井やレンガの壁面が味のある雰囲気を作り出しています。新築でも素材をうまく活用することでビンテージ空間を作り出すことは可能です。フローリングや建具、窓枠はダークブラウンで統一し、家具やファブリックも同系色のアイテムを合わせたダークトーンの空間です。ビンテージスタイルは安定感や落ち着き感を感じられる空間なので、特に寝室空間におすすめです。モダン出典:lixil洗練された印象の都会的なモダンスタイルのインテリアコーディネートです。ブラックのフローリング、ホワイトの壁・天井クロスのモノトーンの内装空間に、細身の脚のモノトーン家具を合わせています。家具のシルバーの脚や扉の取っ手がさらにモダンさを引き立たせています。扉のシンプルな細い縦ラインもモダンな印象です。ソファ上のモノトーンの柄クッションも、空間のアクセントになっています。まとめいかがでしたでしょうか。新築やリフォームは内装や家具配置の自由度が高い分、上手く組み合わせていく必要があります。さらに色やデザイン、サイズ感など、空間のコーディネートでは考慮しておかなければならないポイントがたくさんあります。内装と家具をトータルで見て、生活に寄り添う空間コーディネートを提案できるのがインテリアコーディネーターです。憧れていた内装空間や家具に囲まれて新居で快適な暮らしを送るために、内装やインテリアコーディネートはお家作りのプロであるインテリアコーディネーターと一緒に進めていくことをおすすめします。