白と黒の無彩色でお部屋をコーディネートする「モノトーンインテリア」。海外インテリアのように洗練された印象で、憧れている方も多いのではないでしょうか。ただ、コーディネートが難しそう、やりすぎるとダサく見えてしまうのでは...といった懸念点から、自宅に取り入れるのを躊躇している方もいるかもしれません。今回の記事では、モノトーンインテリアで失敗しないための基本的な方法から、ぐんと垢抜けるテクニックまで紐解いてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。モノトーンインテリアとは?冒頭でも少し触れましたが、モノトーンインテリアとは「無彩色」を基調としたコーディネートのことを言います。 つまり、白色と黒色、それからグレーも。シンプルでありながらも洗練された印象に仕上がるので、国内外や年齢を問わず支持されているインテリアスタイルです。また、一口にモノトーンインテリアといっても、北欧テイストやナチュラルテイストなど様々なテイストがあるので、好みに合わせて楽しむことができるのも魅力です。モノトーンインテリアのメリットそれでは、そもそもモノトーンインテリアのメリットとは何でしょうか? メリットは、大きく分けて2つあります。①モダンで洗練された印象になる②初心者でもコーディネートが簡単①モダンで洗練された印象になる1つ目のメリットは「モダンで洗練された印象になる」ということです。カラフルな配色に比べて、無彩色は空間をすっきりと整った印象にしてくれるカラー。雑多なイメージを抑え、生活感を軽減するという効果もあるので「お部屋を整った印象にしたい」「洗練された雰囲気にしたい」という方におすすめなんです。②初心者でもコーディネートが簡単2つ目は「初心者でもコーディネートが簡単」ということ。お部屋をコーディネートするうえで、カラーは多ければ多いほど、アイテムの組み合わせは難しくなっていきます。その点、モノトーンインテリアで用いる無彩色は、どんな色とも相性の良いカラー。 また、ほかの色やアイテムの素材感を引き立ててくれるのが特徴です。「インテリアに自信がない」「カラーコーディネートの知識がない」といった初心者の方でも、迷うことなく安心してお部屋をコーディネートすることができます。モノトーンインテリアのデメリット次に、モノトーンインテリアのデメリットについてお話します。 デメリットは、主に下記の2つ。①無機質で殺風景なお部屋になる②暗く重たい印象になる①無機質で殺風景なお部屋になる先ほどメリットとして挙げた「洗練された印象」は、反対に「無機質で殺風景なお部屋になる」という懸念点が。無彩色は生活感を軽減してくれる一方で、やりすぎてしまうと温かみに欠けてしまうカラーでもあります。そのため、ほっと落ち着いてくつろげるような空間にするのには、すこし工夫が必要なインテリアスタイルなんです。②暗く重たい印象になるもうひとつのデメリットは「暗く重たい印象になる」ということです。これは特に、黒色を多用したときに懸念される点。 そもそも色の持つ効果として、トーン(明度)の低い黒色は、暗く重たい印象を与えるという特徴があるため、致し方ないことでもあります。ただ、実はこちらも、ちょっとした工夫次第で解消できること。すこしのポイントを抑えるだけで、素敵なモノトーンインテリアに仕上げることができるので、これらのデメリットを念頭に置いてコーディネートを進めていきましょう。モノトーンインテリアの作り方「基本の3ステップ」それでは次に、モノトーンインテリアの作り方として「基本の3ステップ」をご紹介します。 失敗しないためにも、この作り方の基本をしっかりと抑えることが大切です。基本のステップは、下記の3つ。①白色と黒色の比率を決める②グレーをプラスする③素材感のあるものをプラスする難しそうと感じている方も、この3ステップを抑えるだけで大丈夫です。それでは、さっそく見ていきましょう。①白と黒の比率を決める1つ目のステップは「白色と黒色の比率」を決めるということ。先ほどデメリットについてお話したときに触れた、黒色の持つ特徴については、この点と深く関わっています。単純にモノトーンにするというだけではなく、どちらの色の割合が多いかでお部屋の印象は大きく変わるので、比率を決めることはとても重要です。たとえば、画像のように白色が多いと、明るく清潔感のある印象に。 また、白色は空間を広く見せる効果もあるので、狭いお部屋や開放的な雰囲気にしたい場合には、白色をメインにすると良いでしょう。出典:弊社コーディネート事例反対に黒が多いと、シックで落ち着いた印象に。 モノトーンインテリアのモダンな雰囲気が増し、都会的でスタイリッシュなお部屋に仕上がります。ただ、先ほどもお話したように、黒色を多用しすぎると、どうしても重たい印象の空間になるという懸念点があります。画像のように、工夫次第で素敵なスタイリングに仕上がりますが、迷った場合は、白色の割合を大きくすると失敗のリスクをぐんと減らすことができます。②グレーをプラスする2つ目のステップは「グレーをプラスする」ということです。「モノトーン」=「白黒」と思われるかもしれませんが、無彩色であるグレーもぜひ取り入れてほしいカラー。白色と黒色だけで構成したモノトーンインテリアは、どうしてものっぺりと単調で味気のないお部屋になってしまいがちです。 そこでグレーのアイテムを取り入れることで、コーディネートの色合いにグラデーションが生まれます。こちらの白い建具のお部屋でも、テーブルは黒色、ソファやラグなどの大きな面積にグレーを配色しています。白・グレー・黒のグラデーションによって、のっぺりとした単調さがなくなり、立体感や奥行きのある空間に。③素材感のあるものをプラスする3つ目のステップは「素材感のあるものをプラスする」ことです。無機質で殺風景な印象になりやすいモノトーンインテリア。その印象を軽減するための工夫として、ファブリックなどの柔らかな素材感のあるものでお部屋にニュアンスをプラスすることが挙げられます。出典:弊社コーディネート事例こちらの弊社コーディネート事例は、モノトーンで揃えているのですが、セラミックのリビングテーブルやファブリックのソファ、扉の表面にツヤ感のあるTVボードなど素材感があるものをミックスさせております。また素材感を変えるときは空間を締める割合の大きいものに取り入れると、イメージを大きく変えることができます。たとえば、ソファやカーテン、ラグなど。リビングの主役とも言えるソファは布製のものを選び、クッションやブランケット、ファー素材などをプラスするのもおすすめです。窓周りを彩るウィンドウトリートメントには、カーテンやブラインドなどさまざまな種類がありますが、布製のカーテンであれば無機質さを軽減できます。味わいの感じられる天然素材を選ぶのもいいかもしれません。ラグは、画像のように毛足の長いものやマイクロファイバーなど柔らかな質感のものを選ぶと、より温かみのある雰囲気に。また、モノトーンインテリアにしたくても、賃貸で床の色が変えられない...という場合も、思い切ってラグやクッションマットを敷くことで、お好みの色に変えることができますよ。このように、カラーだけではなく「素材感」にも注目して、お部屋に置くアイテムを選んでいってみましょう。 無機質さが軽減され、ぐんと味わいのあるお部屋に変わっていくはずです。モノトーンインテリアが垢抜ける4つのポイントさて、ここまでモノトーンインテリアのメリットやデメリット、基本の作り方について紐解いていきました。出典:弊社コーディネート事例ここからは「モノトーンインテリアが垢抜ける4つのテクニック」について、お話していきます。さきほどの基本の3ステップに加えて、こちらのポイントを取り入れることで、さらにおしゃれなお部屋を作ることができます。①植物を取り入れる②アクセントカラーを取り入れる③異素材を取り入れる④木製家具や天然素材を取り入れる①植物を取り入れるモノトーンインテリアは、無彩色で構成されています。ファブリック類の素材感をプラスしたといっても、まだ無機質な印象は拭いきれません。出典:弊社コーディネート事例もちろん、それがお好みの場合は大丈夫ですが、もしもやっぱり味気ないな...と感じられる場合は「植物」を取り入れてみましょう。 観葉植物でもフェイクグリーンでも、どちらでも問題ありません。出典:弊社コーディネート事例無機質なお部屋の中に動きのある植物を置いてみると、パッと目を惹くフォーカルポイントに。モノトーンカラーが植物のグリーンをより引き立ててくれていますね。自然な要素がすこしでも加わることで、明るく、爽やかでナチュラルな雰囲気がプラスされ、モノトーンの冷たい印象が和らぎます。 初心者でも簡単に取り入れられるので、まず1番に試していただきたいテクニックです。②アクセントカラーを取り入れる続いてのテクニックは「アクセントカラー」を取り入れるというもの。 モノトーンの中にアクセントカラーを配色すると、暗い印象を和らげ、パッと華やかなスタイリングに変えることができます。モノトーンはどんな色とも相性が良いので、色の組み合わせを気にする必要がありません。好きなテイストに合わせて、色を選んでみましょう。アイテムとしては、クッションやフラワーベースなどの小物に取り入れると、季節や気分に合わせて気軽に模様替えできるのでおすすめです。たとえば、こちらのリビングには、ビビットカラーであるイエローを取り入れています。 アートやテーブルトップにも同じカラーを配色し、メリハリのあるおしゃれな空間に。 明るい色合いで、リビングでの会話も弾みそうです。こちらの寝室は、壁面のアートに淡いペールトーンを取り入れることで、こなれた雰囲気に。先ほどのビビットカラーと違い、やさしくリラックスできる色合いは、疲れを癒すための寝室にぴったりですね。同じモノトーンインテリアでも、アクセントに選ぶカラーで雰囲気はガラリと変わります。 お部屋やお好みに合わせてコーディネートしましょう。③異素材を取り入れるさて、3つ目のテクニックは「異素材」を取り入れることです。 基本のポイントで、ファブリックを取り入れるというお話をしましたが、さらにほかの素材もプラスしていきます。出典:弊社コーディネート事例モノトーンインテリアと相性が良いのは、真鍮やガラス、大理石などのアイテム。出典:弊社コーディネート事例大理石のローテーブルを配置したリビング。 洗練された印象にさらに高級感が増し、ワンランク上の雰囲気のお部屋に仕上がっています。「高級感のあるお部屋にしたい」という方には、ぜひおすすめしたいテクニックです。④木製家具や自然素材を取り入れる最後のテクニックは「木製家具」や「自然素材」を取り入れるというものです。 3つ目でお話した真鍮やガラスとは違い、よりナチュラルな雰囲気が好きな方におすすめのテクニック。こちらのリビングでは、ローテーブルや建具に木製の家具を選んでいます。 白を基調としたモノトーンに、やさしく温かみのある雰囲気がプラスされ、味わいのあるお部屋になっていますね。モノトーンインテリアの事例をご紹介それでは、今までお話してきた内容を踏まえて、ワンランク上の垢抜けたモノトーンインテリアのお部屋をご紹介していきます。ご自身のお好みに合ったお部屋を見つけて、ぜひコーディネートの参考にしてみてくださいね。①植物とアクセントカラーを効かせた、アート感のあるリビングダイニングまずはじめにご紹介するのは、こちらのリビングダイニング。 ダイニング横の壁面やリビングの照明、ソファ上のクッションにアクセントカラーを配色し、アート感のある空間に。植物もたくさん配置することで、洗練されながらも明るくエネルギッシュなお部屋になっていますね。②ガラス素材を組み合わせた、高級感のあるリビングダイニング出典:弊社コーディネート事例続いては、リビングとダイニングの照明にガラス素材を用いた事例。出典:弊社コーディネート事例こちらのお部屋のダイニングも、おしゃれなガラス素材の照明を配置しています。重たくなりがちなモノトーンインテリアですが、ガラス素材を組み合わせることで、抜け感のある印象の空間に仕上がっています。③天然素材の温かみを取り入れた、ナチュラルモダンなリビングこちらのリビングは、天然木のリビングテーブルやラタンを用いたサイドテーブルをチョイス。さらによく見ると、クッションはペールトーンで統一して、やわらかな空気感を演出しています。モダンながらも、ほっとくつろげるナチュラルな空間は、ぜひ真似してみたいコーディネートです。まとめ今回は、モノトーンインテリアの基本やコーディネートテクニックを紐解いていきました。組み合わせるカラーやアイテムによって、自分好みのお部屋にできるという点も、モノトーンインテリアの大きな魅力。 一見、難しそうに思われるかもしれませんが、基本のポイントさえ抑えれば、誰にでも素敵にコーディネートすることができます。「憧れているけれど勇気がでない」と躊躇している方も、ご紹介したテクニックを踏まえて、ワンランク上のお部屋作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。