ダウンライトという照明はご存知でしょうか?モデルルームやホテル、カフェ、アパレル店など、スタイリッシュな空間には、"ダウンライト"がよく使われています。住宅でも、スタイリッシュな空間にできたら素敵ですよね。ということで、今回はリビングのダウンライトの配置についてご紹介します。「新居も、かっこいいリビングにしたい!」という事で、ダウンライトでの照明計画をご検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか?でも、ダウンライトはどれくらいの明るさが取れるのか、どこに配置すればいいのか・・正直見当がつかないですよね。今日は、様々な配置例をご覧頂きながら、そんなお悩みのヒントになるような情報をご紹介します。関連記事:【インテリアコーディネートの依頼・相談】事例・費用相場・流れ・サービス内容について解説しますダウンライトとは?そもそも、ダウンライトとは何なのか?どんな特徴や機能性があるのかを、ご説明していきますね。①ダウンライトの特徴や機能ダウンライトは、天井に埋め込まれた照明器具の事を指します。直径50㎜~100㎜の小さな器具です。1灯では1~2畳ほどの明るさしか取れないので、何灯か組合せて明るさを確保します。賃貸のお部屋でよくついている「シーリングライト」は、天井に直接器具が取付けられるので天井面に凸凹が出るため、器具の大きさや高さによっては圧迫感が感じられますが、ダウンライトは天井に埋め込まれるので、圧迫感なくすっきりとした印象の空間にすることができます。しかし、配灯数や位置によっては、せっかくのすっきり感が失われてしまうので、注意が必要です。せっかくダウンライトを使うのであれば、美しく配置しましょう♪また、ダウンライトはメンテナンス面も優れており、基本的にお掃除は必要ありません。装飾性の高いペンダントライトはどうしても埃が溜まってしまいますが、ダウンライトは天井に張り付いているので埃がたまりにく、お掃除が苦手な方にはダウンライトはオススメです。③ダウンライトをオススメする空間ダウンライトは基本的には、どんな空間にもお使い頂けます。リビング・ダイニング・キッチンはもちろんですが、トイレや階段下収納など狭くて天井が低い場所も適しています。また、WICやファミリークローゼットなど、背の高いものを置く空間も、天井面からでっぱりのないダウンライトは最適です。センサー付きのものを使用しても、便利にお使い頂けます。リビングのダウンライトの配置で、気をつける点リビングにダウンライトを配置する上で、気をつけてほしいところを4つご紹介します。1.天井や壁面が暗くなりがちこちらは、大手照明器具メーカーDAIKOのショールームです。お部屋全体やテーブル面の明るさはしっかり取れていますが、天井面や壁際は暗くなっていますよね。これが、ダウンライトのデメリットです。特に、部屋の中央にダウンライトを集中させて配灯すると起こってくるデメリットなので、壁を照らすダウンライトを追加したり、間接照明やスタンドライトを併用することで、バランスの良い照明計画をつくる事ができます。2.天井埋め込み式タイプは自分で交換できないシーリングライトやペンダントライトは、自分で取付・交換ができますが、ダウンライトは電気工事士の有資格者でないと、取付・交換できません。また、ランプも一体型になっている場合がほとんどなので、光の色や明るさ(W数)を気軽に変更する事ができません。(※ランプのみ交換できる「LEDユニットタイプ」もありますが、割高です。)LED器具は、ダウンライトに関わらず(シーリングライト・ペンダントライト・スポットライト・ブラケットライト・間接照明も)、10~15年ほどが寿命です。点灯しなくなるわけではありませんが、70%ほどに明るさが減衰するのと、内部の電気配線や基盤が傷んでくるので、安全のためにも交換する事が推奨されています。交換推奨時期が来た時に、電気工事を依頼する事になるのはデメリットとも言えます。(寿命の前に故障したときにも、電気工事が必要になります。)3.ダウンライトを必要以上に付けすぎないダウンライトの計画で最も気を付けたいことは「必要以上につけすぎない」という事です。ダウンライトの最大のメリットである「スタイリッシュ感」が失われてしまうので注意が必要です。「ダウンライトが多すぎるなぁ」と感じる写真をご紹介します。。引用引用・・いかがでしょうか?なんだか天井が明るすぎて、落ち着かない空間に思えませんか?原因は、2つあると考えられます。1つめは、「1灯あたりの明るさを把握していないため、心配になり無駄にダウンライトの数を増やしてしまう」です。ダウンライト1灯の明るさについては、一般的に「60W相当=1~1.3畳」「100W相当=2畳」です。こちらを目安に、最小限の数にとどめる事をオススメします。2つめは「60W相当のダウンライトのみを使うので、数が必要になる」です。60W相当のダウンライトのみを使った例をご紹介します。とあるお客様で、マンションのオプションのダウンライトを選んでほしいという方がいらっしゃいました。16畳のリビングだったのですが、「60W相当ダウンライト」が15灯も配置されていました。。(1灯あたり1畳の明るさを取れる計算をされているので、間違いではないですよ。)「こんなにたくさんの数のダウンライトが必要なのだろうか?」という疑問から、ご相談に至ったそうです。広いリビングダイニングの場合は、60W相当のダウンライトをたくさん配置するのではなく、1灯あたり2畳の明るさをとれる「100W相当のダウンライト」にして数を減らしましょう。 上記と比べると、とてもすっきりとした空間になります。引用4.ダウンライトの配置は家具に合わせないダウンライトには「拡散タイプ」と「集光タイプ」があります。こちらは集光タイプを使ったリビングの配置例です。引用テーブル面が強く照らされているのがお分かり頂けるかと思います。集光タイプは、家具やアートなどをピンポイントで照らすことができるのがメリットです。しかし、家具の位置が変わると違和感が出るので注意しましょう。拡散タイプは一部分に集中するのではなく全体を照らしてくれるので、家具の位置に依存しません。集光タイプはメリハリがつくので、かっこいい雰囲気が出ます。拡散タイプは、全体を照らしてくれるので模様替えが容易です。それぞれのメリットデメリットを知ったうえで、選択しましょう。ダウンライトをリビングに配置するポイント5つリビングにダウンライトを配置する時のポイントを5つ、配置例と共にご紹介します。1、少ない数で整列させる引用化粧梁の間に、2灯ずつダウンライトが配置され、一直線に整列されています。ダウンライトのみの配置でも、天井がうるさくなく、洗練された印象ですよね。加えて、テレビを置いている壁が綺麗に照らされているので「壁面が暗くなる」というデメリットも解消されています。2、シーンによって使い分けられる「調光タイプ」を選ぼうダウンライトは、直下から見ると眩しいです。こちらは、とあるホテルのベッドルームの写真です。枕の上に、ダウンライトがついています。机で作業する時は、この明るさでも問題ありませんがベッドで横になってふと天井を見てこのようだと、とても眩しいですよね。寝室だけでなく、リビングのソファの上も同様です。横になって天井を見ることがあるスペースでは、ダウンライトの使用を避けるか、シーンによって明るさを変えることができる「調光タイプ」を選んでおくと、眩しさは解消されます。生活シーンによって明るさを変化させることで、以下のように空間の印象を変える事ができます。引用以上の面から、ダウンライトは調光タイプを選ぶことをおすすめしています。3、スッキリ見せたいなら埋込み穴50φや75φを!ダウンライトの埋込み穴の大きさは、100㎜タイプが多いのですが、もっと穴が小さい50㎜や75㎜タイプもあります。よく使われる100mmタイプ75mmタイプ引用どうでしょうか?ダウンライトの直径が違うだけで、天井のすっきり感が全く変わりますよね。ただ、穴が小さいぶん明るさは少し落ちますので、明るめが好きな方には100㎜がおすすめです。4、ダウンライトと他の照明と組み合わせて、空間に立体感をこちらの写真は、ダウンライト・間接照明・ペンダントライトを組合せた配置例です。天井が高い勾配天井を存分に活かした、奥行き感や立体感のある空間になっています。引用こちらは、ダウンライトとペンダントの配置例です。ペンダントライトだけだと、どうしても明るさが確保しにくくなります。その場合は、ダウンライトを使って明るさを補いましょう。デコボコしている壁面の場合、ただ天井にダウンライトを配置するのではなく、ダウンライトで壁面を照らすように配置すると陰影が出て、味のある空間になります。5、スポットライトとしても使えるダウンライトは、部屋全体の明るさを取るためだけでなく、スポットライトとしても使うことができます。引用こちらは、光の向きを変えられる「ユニバーサルタイプ(集光)」を使用して、壁の絵を照らしています。※ユニバーサルダウンライト壁面のアートなどを照らし空間にメリハリをつけたい時にオススメです。もちろん通常のダウンライトのように床面へ向けても使用できます。リビングのダウンライトの配置例と解説1.必要最小限の個数でシンプルな配置例リビングにダウンライトを配置する時は、最小の個数でシンプルに配置しましょう。暗くなるのが心配だからと、明るくするために沢山のダウンライトを取り付けるとせっかくのスッキリさを活かせるダウンライトも、ごちゃごちゃ感を与えてしまう照明になりかねません。引用こちらは、窓からの自然光や天井右端の間接照明で明るさを確保して、特に明るさが欲しい「リビングの中心」をダウンライトで照らしています。窓が大きいお部屋は、自然光からの明かりも考慮してダウンライトを配置してみましょう。2.ペンダントや間接照明と組合わせた配置例引用ダイニングテーブルの上にある3つ連続のペンダント照明が、空間のアクセントになっていますね。3灯並べたペンダント照明は、存在感もあり明るさの確保よりはインテリアとしての役割が大きいです。ペンダントライトの存在感を消さないよう、ダウンライトを全体に均等に配置してお部屋の明るさを確保しています。3.ダウンライトの光に照らされた壁の模様を楽しむ配置例引用テレビ背面と絵画を綺麗に照らしています。壁に寄せて配置することで、ダウンライトの山のような模様がしっかり壁面に映り、印象的な雰囲気になります。このような使い方もとても素敵ですよ。4.安定感のある3灯の配置例こちらは、ダウンライトのみのリビングの配置例です。ダウンライトを集中的に配置する場合、「3灯並べる」を意識して配置しましょう!インテリアづくりに大切なのは「3」を意識することです。1つ置くだけだともの足りなく、2つだとただ並べただけな印象になります。しかし3つ以上並べることでアートのようなデザイン要素が加わります。これは店のディスプレイにもよく使われるテクニックです。5.ダウンライトを目立たせない工夫がされた配置例こちらは上級編です。天井に掘り込みラインを作り、ダウンライトを埋め込んでいます。ライン上にすることで、直線ラインが際立ち、よりシャープな印象になります。ライティングレールも似たようなシャープなデザインですが、こちらの方がより天井のスッキリ感はありますね。ダウンライトについてのまとめいかがでしたでしょうか?ダウンライトを使ったリビングの照明計画。配置するポイントを掴んで頂けたでしょうか?1灯で取れる明るさを把握し、最小限の数を美しく整列する。ダウンライトに足りない、天井や壁の明るさを補うため、他の器具と上手に組合わせる。以上のコツを使って、素敵なリビングの照明計画を行ってくださいね。最後までお読みいただき、ありがとうございました。