普段、「リビング」や「ダイニング」という言葉をよく使うかと思いますが、厳密にはどのような違いがあるかはご存知でしょうか。また、間取り図を見ていると「LDK」や「DK」という表記がされていることがありますが、これらの用途や広さの違いにも明確な違いがあります。本記事では、リビングやダイニングの特徴や、LDKとDKのレイアウトのポイントを解説しています。リビングとダイニングの特徴を知ろうまずは、リビングとダイニングの特徴について解説していきます。普段何気なく使っている「リビング」「ダイニング」という言葉ですが、これらには空間の用途によって名称が使い分けられています。それぞれの意味を見ていきましょう。リビングとは?まず、リビングとは日本語で言うと「居間」「茶の間」という意味です。テレビやソファを置いて家族でリラックスしたり、楽しく談笑したりする用途として使われます。間取り図には「L」と略記されることが多いです。元々日本では、くつろぐスペースも食事をするスペースも、寝るスペースも同じ部屋でするのが一般的でした。しかし、戦後にアメリカの文化が日本に入ったことで、アメリカのライフスタイルが徐々に日本に馴染んでいき、現代のように用途によって空間が分けられるようになってきたのです。ダイニングとは?ダイニングとは、日本語で言うと「食堂」という意味です。ダイニングにはダイニングテーブルと椅子が置かれて、家族で食事をするスペースとして使われています。間取り図には「D」と略記されます。日本では、夕食をリビングでテレビを見ながら食べるご家庭もあるため、ダイニングが食事するスペースとして使われるのは朝食時のみというご家庭もあるようです。また、ダイニングとキッチンが同じ空間にある場合は、ダイニングテーブルを作業台として使う人もいます。リビングとダイニングの違いは何?リビングとダイニングの違いは、空間での用途の違いです。どちらも家族が集まり共有するスペースですが、リビングはくつろいだり団欒するという用途で使われる空間で、ダイニングは食事をすることが目的の空間です。このようにそれぞれ用途や目的が異なります。ただ、先にも述べたように、日本ではリビングで食事をするというご家庭も少なくはないので、ご家庭によってリビングとダイニングの使い方が違うのかもしれません。リビング・ダイニング・キッチン(LDK)とダイニング・キッチン(DK)ってどう違うの?一人暮らしができる賃貸物件を探す際に、間取り図の中で「LDK」や「DK」と言う表記を目にすることがあるのではないでしょうか。「L」は「リビング」、「D」は「ダイニング」、「K」は「キッチン」を意味しています。リビング、ダイニング、キッチンをそれぞれ組み合わせることで、LDKやDKなどの間取りが形成されます。ここでは、間取り図でよくあるダイニング・キッチン(DK)とリビング・ダイニング・キッチン(LDK)の違いについて解説していきます。ダイニング・キッチン(DK)の特徴ダイニング・キッチンは「DK」と表記されます。ダイニングとキッチンが同じ空間にあることを示し、キッチンで作った料理を同じ空間ですぐに食べることが可能です。居室が1つある1DKの場合DKの広さは最低でも4.5帖程度の広さが必要で、居室が2部屋以上ある2DKの場合は6帖以上の広さが必要です。この広さは「不動産の表示に関する公正競争規約」で基準が定められています。参照:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則引用:DK・LDKの広さ(畳数)の目安となる指導基準2 DK又はLDKの最低必要な広さの目安事業者(広告会社などを含む。) が、DK又はLDKとの表示を用いるときには、実際のそれぞれの広 さはまちまちであるとしても、次表に記載する居室(寝室)数に応じて最低必要な広さ(畳数)の目安 (下限)を定め、これをもって指導基準とする。居室(寝室)数DKLDK1部屋以上4.5畳8畳2部屋以上6畳以上10畳以上リビング・ダイニング・キッチン(LDK)の特徴リビング・ダイニング・キッチンは「LDK」と表記されます。キッチンスペース、ダイニングスペース、リビングスペースが全て同じ空間にある広い部屋のことです。居室が1つある1LDKの場合、LDKは最低でも8帖の広さが必要になり、2LDKの場合は最低でも10帖以上の広さが必要です。参照:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則引用:DK・LDKの広さ(畳数)の目安となる指導基準2 DK又はLDKの最低必要な広さの目安事業者(広告会社などを含む。) が、DK又はLDKとの表示を用いるときには、実際のそれぞれの広 さはまちまちであるとしても、次表に記載する居室(寝室)数に応じて最低必要な広さ(畳数)の目安 (下限)を定め、これをもって指導基準とする。居室(寝室)数DKLDK1部屋以上4.5畳8畳2部屋以上6畳以上10畳以上ダイニング・キッチン(DK)とリビング・ダイニング・キッチン(LDK)の違いは広さDKとLDKの厳密な違いは広さです。先にも述べたように、「不動産の表示に関する公正競争規約」で基準が定められており、その基準にしたがって賃貸物件などの間取りが構成されています。DKは最低基準が4.5帖とかなり狭いため、欲しいダイニングテーブルを置けないという事態も起こりうる可能性があります。引っ越しをする場合、どの程度の広さが自分にとって快適かなどをイメージしながら、物件探しをするようにしましょう。ダイニング・キッチン(DK)はこんな人におすすめDKは、以下のような人におすすめの間取りです。1人暮らし・2人暮らしを考えている人家賃を節約したい人多少狭くても問題ない人物が少ない人なぜ上記のような人にDKのような間取りがおすすめなのか、その理由を解説していきます。1人暮らし・2人暮らしを考えている人進学や就職でこれから1人暮らしを始める人や、同棲を始めるカップルにはDKの部屋がおすすめです。LDKよりは狭いですが、1人暮らし・2人暮らしなら十分な広さがあります。キッチンと居室のみの間取りである1Kでは物足りないという方にも1DKがおすすめです。また、友人とルームシェアを検討しているなら、2DKと言う選択肢もあります。自分だけの空間を確保しながら、ダイニング・キッチンを共有して使えます。家賃を節約したい人1人暮らしの場合、1Kの間取りに住む人が多いです。しかし、1Kだと十分な広さがなく、できればもう少し広さが欲しいが1LDKだと家賃が高いから選びたくないという人もいるでしょう。そんな人にも1DKがおすすめです。1DKであれば、1LDKよりも安い家賃で借りることができ、1Kよりも広いダイニング・キッチン空間を確保することができます。1Kだと十分に置けない食器棚や小さいダイニングテーブルなら1DKのダイニング・キッチンになら置くことも可能です。1DKの部屋が1LDKよりも安い理由は、築年数の古い部屋が多いからです。DKの間取りは1980年に流行した間取りのため、賃貸物件情報を見ていると1DKや2DKの間取りの築年数は1980年代前後の物件が多く見られます。築年数が古い分、家賃が安いですが、古い和室があったりトイレや浴槽の設備が古いなど生活に不便を感じる可能性もあります。家賃が安いからという理由だけで部屋を決めず、必ず内見をして納得したうえで部屋を決めるようにしましょう。多少狭くても問題ない人DKの部屋はLDKよりも狭いことが多いです。そのため、広い部屋に住みたい方にとっては不便に感じるかもしれません。ただ、狭い部屋にもメリットがあります。それは、狭い空間なら必要なものをすぐに手に取れる距離に置いておけるという点です。さっと取れる場所に置いておけば、部屋の中での生活動線が短くなり、移動の負担を減らせます。また、部屋が広いとその分家賃が高くなり、冷暖房などの光熱費も高くなりやすいです。毎日の光熱費を少しでも節約したい、最低限の広さがあれば問題ない人にはDKの部屋が向いているでしょう。物が少ない人部屋に大きなテレビやソファなどは置かず、生活に必要なベッドやテーブルなど最低限の家具やものしか置かないという人にもDKがおすすめです。反対に、物が多い人にはDKの部屋だと狭い可能性があります。狭い部屋にたくさんの物や家具を入れると、余計窮屈な空間となり圧迫感も感じるでしょう。また、足の踏み場がなくなると移動も不便になりストレスを感じてしまうかもしれません。できるだけ物や家具が少ないシンプルな暮らしをしたい方にはDKが良いでしょう。リビング・ダイニング・キッチン(LDK)はこんな人におすすめ出典:弊社コーディネート事例続いて、LDKがどんな人におすすめか見ていきましょう。リビングが欲しい人充実した設備が欲しい人部屋の広さを重視する人物が多い人ファミリーで暮らす人それぞれの理由を解説していきます。リビングが欲しい人テレビやソファを置いてゆったりとくつろげるスペースが欲しい方には、LDKがおすすめです。 DKよりも空間が広く取れるので、自分のお気に入りのソファを置いてくつろぎスペースを確保することができます。充実した設備が欲しい人浴室とトイレが別、システムキッチンがある、防音性に優れているなど、充実した設備が欲しい方には、DKよりもLDKがおすすめです。先にも述べましたが、DKは1980年代に流行した間取りで築年数が古いものが多いため、リノベーションやリフォームをしていない限り古い設備がそのまま使われている場合があります。しかし、LDKは2000年頃に流行し始めた部屋タイプなので、比較的築年数の浅い物件が多いです。使いやすいシステムキッチンがある物件や、オートロック付きの部屋もあるので人気も高いです。部屋の広さを重視する人部屋の広さを重視する方には、LDKがおすすめです。LDKは空間の最低限の広さの基準は決められていますが、上限はありません。そのため、賃貸物件を探せば広いLDKのある物件を探すこともできます。広いLDKのある部屋でのびのびと暮らしたい方などは、LDKが良いでしょう。ただ、部屋が広いとその分掃除が大変になったり、冷暖房の効き具合が悪くなるなどのデメリットもあります。当然ですが、部屋が広いと家賃も高くなります。それらのデメリットも納得したうえで、自分の理想の部屋を作りたい方はLDKの物件を探してみましょう。物が多い人引っ越し先の部屋に、「自分のお気に入りのソファやチェスト、ベッドや食器棚を置きたい」、「家具が多いから広い部屋に住みたい」という方にもLDKがおすすめです。インテリアにこだわりがあり、自分で厳選した家具をおしゃれにレイアウトしたい場合、それなりに広い空間が必要になる場合もあります。多少家賃が高くなっても、引っ越し先に自分のお気に入りの家具や物を持っていきたい人には、広い空間のLDKが良いでしょう。ファミリーで暮らす人LDKはDKよりも広い空間なので、家族全員でくつろぐスペースも取れます。家族みんなでソファでテレビを見ながら団欒の時間を過ごしたい方には、LDKの方が向いているでしょう。1人暮らしで快適なリビングとダイニングを作るレイアウトのポイント1人暮らしは、空間を自分の好みにレイアウトすることができます。しかし、いざレイアウトするとなるとどのようにコーディネートすれば快適な空間を作れるのかわからないという方もいるのではないでしょうか。ダイニング・キッチン(DK)の場合のレイアウトのポイントDKの広さは8帖以下です。また、DKの空間にはキッチンが設置されているため実際の広さよりも狭い空間であることが多いです。そのため、DKで自由に使えるスペースには限りがあるので、有効活用する必要があります。家具を少なくするできるだけ家具を少なめにして抜け感や空間の広がりを意識したレイアウトにしましょう。食器棚は最低限の大きさのものにし、ダイニングテーブルも必要最低限の大きさのものにするなど、限りある空間を有効に使ってください。大きな家具を狭い空間にたくさん置くと、それだけでも圧迫感や窮屈感が出てくつろげるスペースではなくなってしまうので注意が必要です。ダイニングソファを多くDKにリビングのようなくつろぎスペースを作りたいなら、ダイニングソファを置くのもおすすめです。食事をしながらゆっくり過ごせる空間を作ることができます。できるだけシンプルな家具で揃えるまた、狭い空間に派手な柄の家具などを使うとごちゃごちゃした印象になってしまうので、できるだけシンプルな家具で揃えるましょう。シンプルなデザインで統一することで、洗練された空間作りができます。リビング・ダイニング・キッチン(LDK)の場合のレイアウトのポイントLDKは、DKと違い十分な広さがあることが多いです。広い空間なので、自由にレイアウトすることができますが、広いからこそレイアウトに悩んでしまうこともあるでしょう。家事動線・生活動線を意識するまずは、家事動線・生活動線を確保することを意識してください。広い空間だからといって家具を置き過ぎると、広い部屋も狭くなってしまいます。移動の際に家具にぶつかるなど、不便さを感じてしまう可能性もあるのでスムーズに動けるように家具の配置も考えましょう。物が増えた時のための収納スペースを確保するまた、空間が広いとついつい物が増えてしまう可能性もあるので、収納スペースも確保しておくのもおすすめです。一人暮らしで狭いリビング・ダイニングを広々快適にするアイデア一人暮らしのリビング・ダイニングは、あまり広くない場合が多いです。そんな限られた空間でも広々と快適に過ごせる空間にするためのアイデアを解説していきます。ダイニングソファを置いてリビング・ダイニングを兼用するダイニングソファを置くことで、リビングとダイニングを兼用することができます。食事するスペースとくつろぐスペースが同じ場所になりますが、兼用することで空間にゆとりを持つことができ、快適に過ごせます。余裕ができたスペースには、例えば自分のコレクションを飾る空間にしたり、在宅勤務のためのテレワークスペースを作るなど、新たな空間作りをすることも可能です。背の低い家具や奥行きの小さい家具を置いて広く見せる出典:弊社コーディネート事例こちらは弊社のコーディネート事例になります。背が低めのソファを選定しているので、部屋が開放的で広く見えますよね。リビングやダイニングが狭いと、デザイン性の高い家具や背の高い家具は存在感が強くなります。そのため、圧迫感や窮屈感が感じられて落ち着かないスペースになる可能性もあります。ローテーブルやローソファなどで揃えると、縦の空間にゆとりが持てて、視覚的に広くなったように感じられます。テレビボードのような収納家具も奥行きが小さいものにすれば、空間が狭くなるのを抑えらえます。部屋の奥にアクセントになるアイテムを置く出典:弊社コーディネート事例こちらは弊社のコーディネート事例になります。写真を見てパッと1番はじめに目につく場所はどこでしたか?人は部屋に入ると無意識のうちに入口から最も遠いところに目が行きがちになります。こちらの事例のように、部屋を広く見せるなら部屋の奥の角にアクセントになる観葉植物や背の高い間接照明やアートを飾るようにしましょう。パッと目を惹きつける物が部屋の奥にあることで、人は部屋に入った瞬間に部屋の奥のオブジェに視線が行くので、手前に置いた家具の存在感が軽くなります。狭い部屋でも窮屈に感じにくくなるので、試してみてくださいね。まとめリビング・ダイニングの違いや、LDK・DKの違い、広くて快適に過ごすレイアウトのアイデアを解説しました。LDKとDKはそれぞれ部屋の広さが違うことから、住み心地も変わってきます。どのような空間で過ごしたいかを考えたうえで、どのような間取りで暮らすかを考えてみましょう。これまでに解説したことを参考に、自分にとって暮らしやすい部屋を探してみてくださいね。