北欧の洗練されたミニマルさと、日本の静けさや自然美を融合させた「ジャパンディスタイル」。落ち着きがありながらもモダンで上質な印象が魅力で、近年インテリアのトレンドとして注目を集めています。そんなジャパンディの世界観を上手に表現するうえで欠かせないのが「配色」の工夫。使う色や組み合わせ方によって、空間の印象は大きく変わります。本記事では、ジャパンディスタイルをより美しく引き立てるおすすめの配色パターンや、実例から学ぶ色使いのコツを丁寧にご紹介します。ナチュラルで洗練された空間づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。関連記事【2025年版】北欧家具ブランド15選|長く愛される名作と選び方のコツ北欧インテリアに合うカーテン選びのコツ北欧風リビングの作り方|プロが教える5つのステップと実例紹介ミッドセンチュリーと北欧の違いを徹底比較!おしゃれな実例もご紹介北欧ナチュラルと北欧モダンの違いは?迷わない北欧インテリアの選び方インテリアの種類13選!テイスト別の作り方をプロが徹底解説します。ジャパンディインテリアとは?|北欧×和の魅力と特徴ナチュラルで洗練された空間をつくりたい方に人気の「ジャパンディスタイル」。 日本の伝統美と北欧インテリアの温かみを融合させたこのスタイルは、シンプルながらも居心地のよい空間を叶えてくれると注目を集めています。まずここでは、ジャパンディの特徴や魅力や「色」の役割について解説します。Japandi(ジャパンディ)の定義と人気の理由ジャパンディとは、「Japanese(日本)」と「Scandinavian(北欧)」を掛け合わせた造語。日本と北欧、両方のミニマルで自然を大切にするライフスタイルを融合した、洗練されたインテリアスタイルです。直線的でシンプルなフォルム、自然素材を使った温かみのある質感、そして静謐な空気感が特徴。その美学は「少ないもので豊かに暮らす」こと。SNSや雑誌で注目を集め、世界中で人気を博している理由は、心が落ち着く空間づくりと、実用性・美しさを兼ね備えているからです。ジャパンディスタイルに欠かせない「色」の役割ジャパンディの空間において、色は単なる装飾ではなく「空気感」そのものを形づくる重要な要素です。モノトーンや淡い中間色を中心に、落ち着いたトーンで統一することで、視覚的ノイズを抑え、心地よい静けさを生み出します。配色のバランス次第で、部屋の雰囲気は大きく変化します。ジャパンディに合う配色の基本ジャパンディスタイルを美しく仕上げるうえで、配色はとても重要な要素。和の落ち着きと北欧の温もりを調和させるためには、色のトーンや組み合わせに一貫性を持たせることが鍵になります。ここでは、ジャパンディインテリアの土台となる「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の役割と、それぞれの選び方について詳しく解説します。ベースカラー|ベージュ・アイボリー・ライトグレーなどの淡いトーンジャパンディのベースとなるのは、自然界にある穏やかな中間色。ベージュ、アイボリー、ライトグレーなど、優しく明るさを持つカラーを床や壁、ラグなどの広い面積に使用するのが基本です。これらの色は、空間に柔らかな光を取り込み、包み込むような安心感を与えてくれます。アソートカラー|グレージュ・ブラウン・モカなどの中間トーンベースとアクセントのつなぎ役となるのがアソートカラーです。グレージュやブラウン、モカなど、やや濃さのある中間色を取り入れることで、空間に奥行きと温かみが生まれます。ソファやカーテン、木製家具など、存在感のあるアイテムに使うと、ジャパンディらしい落ち着いた調和が実現します。アクセントカラー|チャコール・ブラック・ネイビー・オリーブなどの濃いトーンベースの穏やかな色に対し、引き締め役となるのがアクセントカラー。チャコールグレーやブラック、ネイビー、オリーブなどの濃い色をポイント使いすることで、空間に奥行きとモダンな印象をプラスします。アクセントは家具の脚、照明器具、アートフレームなど、部分的に効かせるのがコツです。素材感がつくる“色の深み”|木・麻・陶器・石などの自然素材ジャパンディの色は「素材感」とセットで考えるのが正解です。木材の赤みや黄み、リネンや麻、ラタンの素朴な風合い、和紙、陶器や石のざらっとした質感など、自然素材が持つ色の表情が空間に深みと立体感を与えてくれます。色の組み合わせでつくるジャパンディスタイルの配色例ジャパンディスタイルでは、色の組み合わせが空間の印象を大きく左右します。北欧の明るさと日本の落ち着きを融合させたこのスタイルでは、トーンを揃えた中間色をベースに、アクセントとなる色や素材でメリハリを出すのがポイント。ここでは、実際のコーディネートに使える配色例をいくつかご紹介します。シンプルなのに奥行きのある、洗練されたジャパンディ空間をつくるヒントにしてください。ベージュ×グレー|柔らかく落ち着いた印象ベージュの温かみと、グレーの穏やかな冷たさがバランスよく交わるこの組み合わせは、ジャパンディの王道配色。家具やカーテンはベージュ、ソファやアートにはグレーを取り入れて、優しく落ち着いた空間に。ホワイト×ナチュラルウッド|軽やかで明るい空間白い壁やファブリックに、明るい木目の家具を合わせたスタイル。ナチュラルウッドの素材感がアクセントになり、空間全体を明るくリラックスした雰囲気に仕上げてくれます。チャコールグレー×生成り|陰影で奥行きを演出少し重厚感のあるチャコールグレーと、柔らかい生成りカラーを組み合わせることで、陰影が生まれ、空間に奥行きと高級感を与えます。夜のくつろぎ空間にもぴったりの配色です。グレージュ×ブラックアクセント|上質で引き締まった印象グレージュをメインに据えた空間に、ブラックの照明や小物を差し込むことで、品のある引き締まった空間に。モダンで都会的な雰囲気もあり、大人の女性に人気のコーディネートです。ジャパンディに合うカラーアイテムの選び方とコツジャパンディスタイルの魅力は、静かで落ち着いた雰囲気のなかに、ぬくもりや自然のやさしさが感じられるところ。けれど実際に取り入れるとなると、「どんな色のソファが合う?」「木の色味はどれが正解?」など、アイテム選びで迷うことも多いですよね。このセクションでは、ラグやカーテンなどのファブリック、家具、雑貨や照明などのカラー選びについて、ジャパンディの世界観を大切にしながら、わかりやすくご紹介していきます。家具選びは“木の色味”に注目ジャパンディスタイルでよく登場するのが、木のぬくもりを活かした家具たち。家具を選ぶときは、赤みの少ないオークやアッシュ、ウォルナットなどの落ち着いた色味がジャパンディの雰囲気にぴったりです。たとえば、明るめの床に合わせてナチュラルな木目のテーブルを選んだり、落ち着いたトーンのチェストで空間を引き締めたりと、木の色味で空間の印象をコントロールするのがポイント。張地付きのソファやチェアは、グレージュ・サンド・ミルクティー色など、ニュートラルでやわらかな色合いがなじみやすく、他のインテリアとの相性が良いです。ファブリック類は「やわらかい中間色+質感」を意識ラグやクッション、カーテンなどのファブリックは、部屋の印象を大きく左右するアイテムです。ジャパンディでは、アイボリーやベージュ、グレージュなど、やさしく落ち着いた色合いを中心に選ぶと、空間にやわらかさと一体感が生まれます。アクセントを加えたいときは、チャコールグレーやオリーブ、ネイビーなど、少し深みのある色をポイント使いすると効果的。たとえば、無地のラグに濃いトーンのクッションをひとつ添えるだけで、空間にぐっと奥行きが出てきます。また、色だけでなく素材の風合いも大切です。リネンやウール、コットンなど、ナチュラルな質感のある素材を選ぶと、見た目にも触り心地にも心地よさが加わります。小物や照明は“静かなアクセントカラー”にジャパンディは“引き算の美”が基本。小物や照明で彩りを加える際も、派手な色を使うのではなく、トーンを揃えて控えめなアクセントにするのがコツです。たとえば、黒や深いネイビー、グリーングレーといった落ち着いた色味の雑貨や花器、クッションをアクセントとして使えば、空間がグッと引き締まります。照明はやわらかな光を生む電球色や間接照明がおすすめ。木製のランプシェードや、陶器・和紙など自然素材の照明は、色ではなく“あたたかい影”を空間にもたらしてくれます。空間全体のトーンを意識して、余白を楽しむジャパンディにおいては、「たくさん飾る」「色で目を引かせる」よりも、トーンを揃えて余白を活かすことが心地よさにつながります。家具やファブリック、小物の色を選ぶときは、「この色は空間に溶け込むかな?」「隣のアイテムとトーンが合っているかな?」と、全体の調和を意識してみましょう。色数を3色程度に絞る“3カラー配色”を意識すると、自然と統一感が生まれますよ。暮らしのなかで、ふと目に入る色や質感が心を穏やかにしてくれる。そんな空間づくりが、ジャパンディの醍醐味です。色に迷ったら、自然のなかにある色合いや、日本の伝統色、北欧家具のカラーパレットを参考にすると、自分らしい心地よい配色に出会えるはずです。【部屋別】ジャパンディ配色のコーディネート実例ジャパンディスタイルは、部屋ごとに取り入れ方を少しずつ変えることで、より心地よく洗練された空間に仕上がります。同じトーンでも、リビング・寝室・ダイニングでは求められる雰囲気や役割が異なるため、配色のバランスにも工夫が必要です。このセクションでは、部屋ごとの特徴に合わせたジャパンディ配色の実例とコーディネートのポイントを紹介します。暮らしに寄り添う上質な空間づくりの参考にしてみてください。リビング|温かみのあるベージュ×ウッドでくつろぎ空間出典:RoomClip家族が集うリビングは、心が安らぐベージュやナチュラルウッドの組み合わせがおすすめ。床やソファは明るめのベージュで、テーブルやシェルフに木のぬくもりを取り入れると、居心地の良い空間に。すこしメリハリがほしいなと感じたら、グレーやブラックの小物で引き締めてみましょう。リビングダイニング|木目のベージュ×チャコールで引き締め出典:RoomClip木の温もりが主役のダイニングには、明るい木製テーブルにチェアのブラックを合わせてコントラストをプラス。明るさと引き締めが両立した、食事が美味しく見える空間に仕上がります。また、照明は和紙製のもので温もりのある雰囲気に仕上がっていますね。リビングダイニング|ベージュ×グレージュで柔らかな雰囲気に出典:RoomClipこちらは、畳のあるリビングダイニング。明るい色味の木製家具をチョイスし、中間トーンのグレージュのソファを取り入れて柔らかな雰囲気に仕上げています。こちらも照明は和紙製のものをコーディネート。また、観葉植物を多く取り入れることで、爽やかな空気感のリラックスしたお部屋に。寝室|アイボリーのグラデーション×あたたかなアースカラーでリラックス感出典:RoomClip睡眠の質を高めたい寝室は、刺激の少ないアイボリーのグラデーション配色がぴったり。リネンの寝具やカーテンで柔らかなトーンを重ね、穏やかに心を落ち着けましょう。テラコッタカラーのクッションや、グリーンのチェアなど、あたたかみのある落ち着いたアースカラーのアクセントを加えて、ほっと安らぐ寝室に仕上げられています。ジャパンディの配色でよくある失敗と解決策ジャパンディスタイルは、色の選び方ひとつで印象が大きく変わる繊細なインテリア。おしゃれに仕上げたつもりでも、「なんだかまとまりがない」「暗く感じる」といった悩みを抱える方も少なくありません。ここでは、ジャパンディ配色でありがちな失敗例と、それを解決するためのポイントをわかりやすくご紹介します。ちょっとした工夫で、空間がぐっと心地よく整いますよ。「色がバラバラで統一感がない」:3色ルールでまとめる部屋の印象が雑多になってしまう原因は、使う色が多すぎること。ベース・メイン・アクセントの3色以内でまとめる「3色ルール」を意識すると、統一感がぐんと高まります。「暗すぎて重く見える」:素材で軽やかさをプラスダークカラーを多用すると重たい印象になりがち。そんなときは、抜け感のある家具、光沢感のあるファブリックやリネン素材などを取り入れて、軽やかさを演出しましょう。「ぼんやりした印象になる」:濃淡を意識してメリハリをつけるすべてを淡い色でまとめすぎると、ぼやけた印象になることも。明暗の差や質感の違いを活かし、濃淡でメリハリをつけることが、洗練された空間づくりのポイントです。ジャパンディの配色に関してよくある質問(Q&A)ジャパンディスタイルはシンプルで洗練された印象が魅力ですが、配色のバランスや色選びに迷う方も多いはず。ここでは、よく寄せられる疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。コーディネートに悩んだときのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。Q1:ジャパンディスタイルで避けたほうがいい色はありますか?A1:ビビッドカラーや蛍光色など、強く主張しすぎる色はジャパンディの静けさや調和を乱してしまうため、避けた方が無難です。どうしても取り入れたい場合は、小物でワンポイント程度に抑えるのがおすすめです。Q2:ジャパンディに黒は合いますか?A2:はい、黒はジャパンディスタイルにおいて“引き締め色”として非常に効果的です。照明器具やフレーム、テーブル脚など、細部に取り入れることで空間全体が引き締まり、洗練された印象になります。Q3:ナチュラルカラーだけだとぼんやりしませんか?A3:その通りです。ベージュやアイボリーなどのやさしいトーンだけだと空間に締まりがなくなることも。そうした場合は、ダークトーン(黒・チャコール・ディープブラウン)をアクセントとして取り入れると、メリハリが生まれます。まとめ|配色を極めてジャパンディをもっと心地よくジャパンディスタイルは、「色」と「素材」が空間全体の雰囲気を決めるカギ。ベースカラーは落ち着いた中間色、アクセントは黒やグレー系、そして素材の質感を活かすことで、上質で穏やかな空間が完成します。配色を極めれば、シンプルなのに奥行きのある、“自分らしい静かな美しさ”が宿るインテリアを実現できます。インテリアの色選びを楽しみながら、あなたの理想のジャパンディ空間を完成させてみてください。関連記事【2025年版】北欧家具ブランド15選|長く愛される名作と選び方のコツ北欧インテリアに合うカーテン選びのコツ北欧風リビングの作り方|プロが教える5つのステップと実例紹介ミッドセンチュリーと北欧の違いを徹底比較!おしゃれな実例もご紹介北欧ナチュラルと北欧モダンの違いは?迷わない北欧インテリアの選び方インテリアの種類13選!テイスト別の作り方をプロが徹底解説します。