住まいや商業施設の空間創りに携わる「インテリアコーディネーター」と「インテリアデザイナー」は、多くの人が耳にしたことのある職業ではないでしょうか。名前が似ているということもあり、その違いが分からないという方がほとんどかもしれません。そこで今回はインテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの違いについてご紹介します。それぞれの仕事内容や特徴、必要なスキルなどに加え、弊社でインテリアコーディネーターとして活躍しているスタッフのリアルな声もお届けしたいと思います。「住まいのプロデュースを依頼したいけれど、どちらに頼めばいいか分からない」なんて方はぜひ参考にしてみてください。インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの違いとは?まず最初に、ざっくりとこの2つの違いを説明すると「インテリアコーディネーター」=「既存のインテリアを組み合わせて、空間を演出する仕事」「インテリアデザイナー」=「何もない空間を構成・デザインして、0から生み出す仕事」と言えるでしょう。インテリアコーディネーターでありながらデザイナーも兼任しているという人も少なくはないので、やはりどちらの仕事にも共通する部分が多く存在しています。それでは一体どんな点が違うのか2つの仕事内容を詳しく見ていきましょう。インテリアコーディネーターの仕事内容弊社事例インテリアコーディネーターの仕事を完結にお伝えすると「住まいに合わせてインテリア商品をトータルにプロデュースすること」です。主な仕事内容としてはライフスタイルに合わせた提案を行うインテリア商品で空間を演出するこの2点が挙げられます。①ライフスタイルに合わせた提案を行うインテリアコーディネーターは依頼主が「どんな風に暮らしたいか」といったライフスタイルをヒアリングし幅広い知識をもとに家具やカーテン、照明等の商品をプロデュースしていきます。具体的にはこのような項目を設定してお客様の趣向を分析します。部屋の間取り家族構成ライフスタイル趣味予算好きなテイスト家具の配置選ぶ家具の大きさ照明の明るさや色味インテリアの色合いなど依頼主のヒアリングをもとに空間を把握し、お部屋全体の雰囲気やレイアウト、カラーやテイストなどのプランニングを進めていきます。②インテリア商品で空間を演出する弊社事例全体のイメージが固まったらニーズに合わせた色や素材、デザインのインテリア商品を選んでいきます。「〇〇のブランドのソファに〇〇のブランドのリビングテーブルを合わせよう」「ソファの張地には、〇〇素材がぴったりだ」という風に、世の中にある商品を組み合わせて最適なコーディネート提案するのが、インテリアコーディネーターの仕事と言えます。インテリアコーディネーターに依頼できる内容弊社事例それでは実際に依頼できる内容としては、どんなことがあるのでしょうか?大まかに言うと下記のような内容が考えられます。空間コーディネートの相談空間のプランニング(レイアウト、テイスト、色、素材など)商品セレクト(壁紙、家具、照明、カーテン、インテリア雑貨など)商品・素材の発注商品のセッティング(現地での設置、コーディネートなど)アフターフォローただ、これらの範囲はインテリアコーディネーターや会社によっても異なります。「頼んでみたいな」と気になっている場合は一度問い合わせてみるのがおすすめですよ。そこで、弊社で活躍している2名のインテリアコーディネーターにも実際の仕事内容をインタビューしてみました!【Q.プロのインテリアコーディネーターとして気を付けている事は?】大塚:お客様の事を知る事。性格や好きそうなものなど、ヒアリングで話しながらどんな人なのか読み、掴む事を心がけています。そして、提案の内容や提案の仕方、スピード感、会話のテンションなど、お客様によって変えています。吉田:「この人なら理想を叶えてくれそう」という信頼を持ってもらえるように、ヒアリングにてお客様の理想はもちろん、どういう人なのかを掴み切ることです。【Q.プロのインテリアコーディネーター(デザイナー)に依頼する魅力は?】大塚:自分で作るいつもと同じようなインテリアではなく、理想のインテリアの実現と時間と手間を省くことができます。吉田:自分でも気が付かなかった理想を知れて、叶えてもらえるところが魅力です!インテリアデザイナーの仕事内容とは?インテリアデザイナーとは大まかに言うと「室内の空間を総合的に設計する仕事」と言えます。 建築企画段階から携わることも多く、依頼主の要望に合わせた空間を一から作り上げていきます。主な仕事内容としては、空間のデザインをするインテリアのデザインをするといった2点が挙げられます。①空間のデザインをするインテリアデザイナーが手がけるのは住宅オフィス店舗ホテル学校美術館など幅広い分野の空間です。それらの依頼主の要望を丁寧にヒアリングし、建築家や施工業者とも打ち合わせを重ねて空間をデザインしていきます。たとえばレストランをオープンする場合壁紙や建具の色は何色にするのか?どんな照明を設置するのか?テーブルやチェアはどんなものをどこに配置すればいいのか?...と、細かい部分から大きい部分まで決めることは本当にたくさんあります。そんな時にインテリアデザイナーは色や素材明るさやデザインなどあらゆる要素を考案した上でデザインを企画し、建物内部の空間づくりを一から行なっていきます。また、時には内装だけではなく、部屋の間取りや庭先、駐車場など建物全体の構成を行うことも。ただ空間をデザインするだけでなく、現場に立ち会って現場監理を自ら行うインテリアデザイナーも存在します。②インテリアのデザインをするインテリアデザイナーは空間だけにとどまらず、家具や照明、インテリア雑貨などのデザインも行います。たとえば学校の図書館に置くベンチが既製品ではどうしてもしっくりくるものがない...なんてときは、その図書館に似合うベンチを自らデザインしてしまうんですね。空間のために家具や照明などのインテリアをデザインすることで、より依頼主の要望に沿った住宅環境や店舗環境を実現することができます。インテリアデザイナーに依頼できる内容インテリアデザイナーに依頼できることとしては、主に空間創りの相談空間のプランニング、デザイン(構成、間取り、色、素材、家具、照明など)インテリアのデザイン(家具、照明、インテリア雑貨など)施工会社などへの発注現場監理(現地での確認、指示など)アフターフォローなどが挙げられます。こちらもインテリアコーディネーター同様、人や会社によって請負範囲は異なるため、気になる場合は直接問い合わせてみましょう。インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーに必要なスキルここまでは、インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの仕事について解説してきました。それらに必要なスキルとはどんなものなのでしょうか?どちらもインテリアに深く関わる仕事のため共通して必要なスキルがあります。①インテリアの幅広い知識一口に「コーディネートする」「デザインする」と言っても、正しい知識に基づいたコーディネートやデザインができないと快適な空間を創ることはできません。幅広い知識が必要となります。インテリアコーディネーターは商品を組み合わせて提案するため、ブランドを超えたインテリア商品の知識が必要です。インテリアデザイナーは空間を0からデザインするため、より建築的な知識を持っている必要があると言えるでしょう。②美的感覚と発想力インテリアを提案するプロとして、この2つは重要な能力です。生まれながらのセンスというわけでなくカラーやデザインの勉強をしたり、様々な建築やインテリアを見て学んだりすることで養えると言えるでしょう。発想力については空間を生み出すインテリアデザイナーはもちろんインテリアコーディネーターも1パターンの提案ではなく、依頼主のニーズに沿った対応が必要です。たとえば「ソファを置くのをやめてダイニングソファにしましょう」など、その人の暮らしに合った家具やレイアウトの発想が必要ですね。③プレゼンテーション能力実は「人に提案する」という能力も重要なスキルです。もしかすると、これは意外に思われるのではないでしょうか?プランニングをした上で、次に行うのが「プレゼンテーション」なんです。プランニングした空間を実現するためには、必ず依頼主の賛同が必要です。その際にただ紙面を見せただけでは、その空間は採用してよいものなのかが分かりません。どうしてこの色や素材を選んだのか?なぜ家具はこの配置で照明はこの明るさなのか?といったように明確な理由をもとに、その空間が依頼主にとって最適であることを示す力が大切なんです。頼む側としては、しっかりと腑に落ちることで安心してプロデュースをお任せすることができますね。それぞれの仕事に役立つ資格続いては、代表的な資格や持っていると役立つ資格についてご紹介します。インテリアデザイナーの資格は日本デザインプランナー協会が付与しているもの。資格試験は2ヶ月ごとに開催されており合格率は約30%。インテリアに関する商品知識や販売技術、デザイナーとしての表現力などが問われる内容となっているので、インテリア業界や建築業界はもちろん講師活動などに役立てることも可能です。次インテリアコーディネーターの資格は公益社団法人インテリア産業協会が付与しています。資格試験は1年に1回で、合格率は約24%と狭き門となっています。年齢層を問わず人気の資格で、インテリアコーディネーターの仕事に関してはもちろん、インテリアの歴史やインテリアの構造、図面作成など幅広い分野の知識が問われる内容となっています。これらの資格は働く上で必須というわけではなく、資格がなくてもインテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの仕事をすることはできますが、資格取得のための知識は仕事の幅を大きく広げてくれるでしょう。弊社でインテリアデザイナーやインテリアコーディネーターとして活躍する2名のスタッフに、仕事をする上で必要なスキルややりがいについてインタビューしてみました。もし「仕事にしてみたいな」と考えている方がいらっしゃれば、参考にしていただけると幸いです。【Q.どんな人がインテリアコーディネーター(デザイナー)に向いていますか?】大塚:マルチタスクが得意、人と関わる事や話す事が好き、体力がある方が向いてると思います。吉田:物事を俯瞰的に見れる人。 お客様の頭の中に点在している理想を集めてひとつの空間にするには、物事を俯瞰的に見れるような視野が広い人が向いていると感じます。【Q.インテリアコーディネーター(デザイナー)のやりがいはどんなところですか?】大塚:プランニングしたお部屋が実際に出来上がり、出来上がったお部屋を見たお客様が喜んでいる姿を見ると、頑張って良かったと思えます!吉田:お客様の理想を叶えるために考えてつくった空間を気に入っていただき、お礼を言ってもらえたときです。【Q.どんな資格を持っていますか?(インテリアコーディネーター/デザイナー資格以外に)】大塚:私は資格でいうと、インテリアコーディネーターしか持っていないです。もし勉強するのであれば、より深く内装や建築が勉強できる、建築士ですかね。ただ、資格があるからといって誰でもコーディネーターとして働けるわけじゃ無く、実務をこなさないと分からない事が多いと思います。吉田:インテリア設計士2級・色彩検定2級・整理収納アドバイザー2級を持っています。住まいのプロデュースは、インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーに。弊社事例さて、今回は「インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの違い」について詳しくご紹介しました。弊社スタッフの声も参考にしていただけましたでしょうか?「インテリアコーディネーター」=「既存のインテリアを組み合わせて、空間を演出する仕事」「インテリアデザイナー」=「何もない空間を構成・デザインして、0から生み出す仕事」といった大きな違いがあり、それぞれに仕事内容が異なりましたが、どちらの職業もインテリアにおけるプロフェッショナル。幅広い知識や経験のもと、お客様の要望をしっかりとヒアリングして住まいをより良く快適なものへとプロデュースしています。「ご自身の家をもっと快適にしたいな」「新居をどんな風にしたらいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひインテリアコーディネーターやインテリアデザイナーに相談してみてくださいね。