賃貸物件とは違う新築物件の特徴は、ご自身で床や壁材などの内装を自分好みにアレンジできることです。ドラマや雑誌で見て憧れていたお部屋や、海外インテリアのような個性的な雰囲気のお部屋に住むことも可能になります。自分好みの内装や家具に囲まれた新居での暮らしを想像すると、とてもわくわくしますよね。 ただ、新築の場合は自由にできる分決めることが沢山ありますよね..。インテリアイメージごとに内装材がある程度パッケージ化されている所もありますが、特に新築戸建てやマンションリフォームでは床材、壁材、天井材はもちろん、建具や取手、巾木や廻り縁などの細部まで決めていかなければなりません。色、形、素材、こだわればこだわるほど全体のバランスを取ることが難しくなってきたり、時間と労力もかかってしまいます。 そこで今回は、おすすめの内装カラーコーディネートの決め方を事例と共にご紹介します。ポイントを押さえて、理想の暮らしを送ることができる内装空間を作り上げていきましょう。関連記事:【インテリアコーディネートの依頼・相談】事例・費用相場・流れ・サービス内容について解説します1、内装のカラーコーディネートでお部屋の印象が決まるこちらの2つの部屋、見比べてみてください。引用置いている家具は全く同じものなのに、内装材の色が変わるだけでずいぶん違う雰囲気に感じられますね。色もサイズも全く同じ家具を配置していても、カラーコーディネートの違いでお部屋の印象は大きく違ってきます。空間へ配置する家具の大きさや数にもよりますが、お部屋で視界に入るほとんどの面積が内装になります。また、内装のなかでも特に目に入りやすいのが「床」です。明るい色・暗い色、模様の有・無、木目調・タイル調などの床材の違いは、空間の居心地の良さへも大きく関わってきます。引用こちらのお部屋、、ブラックな床が印象的でモダンスタイリッシュなイメージですよね。引用壁、扉の色、家具は全く変えてなくて床材を変えただけで、ナチュラルフレンチなイメージに変わりました。このように、新築でのカラーコーディネートはソファやテーブルなどの置き家具だけでなく、内装による空間全体の雰囲気もとても重要です。特に「色」の組み合わせは、インテリアコーディネートにおいてもっとも大切な要素の一つです。新築(やリフォーム)での内装決めの際は、1つずつのアイテムにこだわりつつも全体の統一感を考慮しながらカラーコーディネートされた空間を作っていく必要があります。2、新築の内装のカラーコーディネートのポイント①カラーコーディネートの黄金比は、70%:25%:5%を守ろう!インテリアコーディネートのポイントでよく言われているのが・・「使用する色を3色にすることで、誰でも失敗しにくく統一感の感じられる空間になりやすい」です。さらに、空間におけるこの3色の割合は【70%:25%:5%】が最適と言われています。この割合はインテリアにおけるカラーコーディネートの基本となっており、それぞれの名称は以下のようになっています。70%=ベースカラー・・基本的に床・壁・天井などの内装材25%=アソートカラー・・カーテンやラグ、ソファなどの大きい家具や、扉などの建具類5%=アクセントカラー・・クッションやアートなどの小物類写真でご説明すると、こんな感じです。空間面積の大きい割合を占めるベースカラーの内装は、床と壁などの内装同士も、さらにほかのアソートカラーやアクセントカラーとも統一感を感じられるようなカラーを選ぶ必要があります。日本の住宅でのベースカラーのほとんどは、モノトーンや木目調のブラウンのような主張しすぎないシンプルなカラーです。内装をシンプルにすることで、アソートカラーやアクセントカラーが引き立ち、バランスの取れた空間が出来上がります。②どんな色の家具を置くかも一緒に決めておく新築の内装の決め方について、おすすめの決め方を2つご紹介します。1つめは「好きなお部屋画像や理想のお部屋画像を探して、使われている色を参考にする」で、2つめは「新居で使う家具に合わせた内装の色に決める」です。②-1好きなお部屋画像や理想のお部屋画像を探して、使われている色を参考にする引用新居に配置する家具がまだ何も決まっていない方には、この決め方をオススメします。WEBカタログやインスタグラムやピンタレストなど今はネットで探すとすぐインテリアの画像を見ることができます。少しでも気になった画像があれば、保存しましょう。保存したインテリア画像の空間を構成する”色”や”素材”や”形”などの要素を見つけ出し、それと同じような内装のカラーコーディネートを家具トータルで考えて揃えていくことで、失敗の少ない理想的な空間に近づけていくことができます。②-2新居で使う家具に合わせた内装の色に決めるすでに家具をお持ちの方、これから購入予定の家具をすでに決めている方は、こちらの方法がおすすめです。家具の色と相性の良い内装のカラーコーディネートは、同系色で組み合わせる(例:ライトブラウンとダークブラウン、グレーとブラック)同じトーンで組み合わせる(例:ダークトーン、バステルトーン、グレイッシュトーン)などの組み合わせ方法があります。こちらは、家具と内装をグレー系(同系色)で統一することで、スッキリと洗練された空間になっています。内装(特に床材)と床に置くタイプの家具の場合は、「同じ色の組み合わせ」「同系色の組み合わせ」が統一感を得られやすく失敗しにくくなりますので、インテリア初心者さんにはオススメのカラーコーディネートです!こちらは、グリーンの個性的な壁紙で組み合わせが難しそうですが、、フローリングとグリーンの壁紙、カーテンやブラックのチェアを彩度や明度が同じ”同一トーン”で統一されているので、きちんとまとまりのある空間になっています。このように、家具の色も考慮した内装でカラーコーディネートができるのは、新築やリフォーム時だけの特権なので、ぜひカラーコーディネートには力を入れてみることをオススメします!3、床の色別、カラーコーディネートの事例ここからは、床の色ごとのオススメのカラーコーディネートをご紹介します。①床の色が白系のカラーコーディネート引用明るい印象の空間です。家具も白系で統一することで、清潔感が感じられます。クッションやアートなど小物の色で空間にアクセントを付けたい方へおすすめです。同じ白色の床材でも、フローリングと大理石では空間の印象が異なってきます。やわらかい雰囲気を取り入れたい場合はフローリングを、モダンなテイストが好みの方は以下の画像のような大理石や大理石調のフロアタイルなどがおすすめです。引用②床の色がライトブラウン系のカラーコーディネート引用柔らかく優しい印象を与えるライトブラウンの床材。和モダンな空間や日本人に人気の北欧インテリアを中心にライトブラウンは多く取り入れられています。自然の温かみを出したい空間にオススメです。床材と同じ色の家具でも、濃い色の家具でも合わせやすいカラーです。③床の色がダークブラウン系のカラーコーディネート引用落ち着きが感じられるようなダークブラウンの床材。男前インテリアに代表されるインダストリアルスタイルやビンテージスタイルとも相性の良い色味です。家具や建具にも、床と同じ色味のダークブラウンを取り入れることがおすすめです。同じダークブラウンの床でも、木目が目立つタイプだとヴィンテージなどかっこいいインテリア、木目が目立たないタイプだと以下の画像のように重厚感や落ち着きのあるインテリアなど、木目の存在によって雰囲気が全く変わってきます。引用目指すインテリアテイストや家具との相性も考慮して、フローリングを選びましょう。④床の色が黒系のカラーコーディネート引用床の色が黒系だと、モダン家具との相性の良い、引き締まった印象の空間になります。大人らしい落ち着きも感じられます。濃い色の床の場合は、壁・天井など上に向かって明るい色を取り入れると、重すぎなく開放感を感じられやすい空間になります。黒系の床は、モノトーンなインテリア空間へはもちろん、アクセントに小物類などでビビッドカラーを取り入れるのも相性がいいです。引用引用4、なりたいお部屋のイメージ別、カラーコーディネートの事例ここからは、過ごし方やなりたいお部屋のイメージ別のカラーコーディネートの事例をご紹介します。①ゆっくり落ち着いてリラックスしたい空間引用落ち着いた色味のブラウンで統一されたカラーコーディネートです。アースカラーに分類されるブラウンは安心感を感じさせる色です。特に、住む人の肌の色より濃いブラウンを取り入れると、より安心感が得られやすいのでリラックスして過ごしたいお部屋の床材におすすめです。こちらのお部屋は、木目が印象的なブラウン、ダーク系ブラウン、赤みがかったブラウンなど、内装や家具にさまざまな種類のブラウン素材を取り入れているので、統一感がありつつもデザイン性のある空間に感じられます。さらに観葉植物を取り入れることで、より自然のリラックス感を感じられるようになります。引用明るい印象でリラックスできるカラーコーディネートのお部屋です。ライトブラウンに、畳でアースカラーのグリーンを取り入れています。ポイントは、壁面のライトブラウンと畳のグリーンを同じトーンの色で合わせることです。トーンを合わせることで統一感のあるリラックス空間に感じられます。②仕事や勉強など作業に集中したい空間引用仕事や勉強をするお部屋には、ブルーやネイビーに代表される寒色がおすすめです。集中力や判断力を高める色彩効果を持つ寒色をアソートカラーとして空間に取り入れることで、作業効率アップが期待されます。フローリングはネイビーと相性の良いグレー系カラーを合わせています。ネイビーは都会的でモダンな印象の空間に最適な色です。引用同じ寒色でもパステルカラーのブルーを取り入れることでやさしい印象の空間に感じられます。子供部屋やナチュラルテイストのお部屋へも取り入れやすい色です。パステルカラーを取り入れる場合は、ベースカラーになる壁や天井材にはホワイトがおすすめです。③子供部屋など元気なイメージの空間引用活発で親しみやすさを感じさせるオレンジ色のカラーコーディネートです。鮮やかなオレンジ色はクッションやアートなどの小物類で取り入れると、派手になりすぎず、適度な存在感で元気な印象の空間に感じられるのでおすすめです。引用 空間を明るくして活力を感じさせる黄色のカラーコーディネートです。黄色は注意を引きつけやすい色なので、住宅へはビビッドカラーの黄色より穏やかなトーンの黄色がおすすめです。フローリングも黄色寄りのオーク色で合わせることで統一感も感じられ、より明るい印象の空間に感じられます。④洗練された都会的なかっこいい空間引用モノトーンの内装に、モノトーンの家具を配置したカラーコーディネートです。ソファの脚と窓サッシはシルバーで統一することで空間に一体感を感じられます。直線的なラインが特徴的な建具により、さらにモダンで洗練された空間に感じられます。引用タイルや大理石の床材を取り入れることで、より都会的な印象になります。モノトーンカラーかつ無機質な素材の内装や家具の組み合わせがおすすめです。5、内装の色を実際に見て確認するには?①カタログを取り寄せるカタログは一度に多くの色を比較できるため、まずはカタログでたくさんのアイテム数から気になる色をピックアップし、選択肢を絞り込んでいくことがおすすめです。各アイテムの画像が均一に並べられているだけでなく、施工事例の写真が掲載されているカタログも多いため、イメージを膨らませながら選ぶことができます。カタログ冊子は各内装材メーカーのホームページから請求できますし、オンライン上で閲覧可能なWEBカタログサービスを持つメーカーもあるので、いつでも気軽に探し始めることができます。②サンプルを取り寄せる引用カタログやパソコンを通して見る内装アイテムの色や素材は、実際のものとは明るさや色味が違って見えてしまう可能性があります。特に空間の大きな面積を占めることになる床材、壁材、天井材は画像だけで決めてしまうと、思っていた印象と違う空間が出来上がる可能性も考えられます。カタログやパソコンを通して気になったアイテムはサンプルを取り寄せて、実物を見て確認しましょう。特に床材は直接足で触れることになるので、サンプルに触れて素材感も確認、比較することをおすすめします。③ショールームへ行く引用サンプル請求の場合は実物を確認できますが、届くサンプルは色や素材を確認するだけの小さなサンプルです。小さいサンプルだと施工した場合の実際のイメージが湧きにくかったり、大きい面積で見た時に色が違って感じられる可能性もあります。内装メーカー各社のショールームは、大きなサンプルを用意してあるところがほとんどなので、施工後をイメージしやすくなります。さらに、自宅へのサンプル請求の場合は請求したアイテムのみの比較になりますが、ショールームではたくさんの種類のサンプルから比較することができます。また、ショールーム内には実際に床材や壁材などを施工した空間がある場合がほとんどなので、より新居での施工イメージを持ちやすくなります。床材や建具など複数の内装アイテムを取り扱うメーカーショールームの場合は、それぞれのアイテムのサンプルを組み合わせながらカラーコーディネートを進めていく事もできます。メーカーの方から商品の特徴を聞けたり、すぐに質問できるのもメリットです。④シュミレーターを使う様々な色や組み合わせを見て決めていきたい方には内装シュミレーターがおすすめです。無料で使用できるシュミレーターをサイトに用意している内装材メーカーや家具メーカーがここ数年多くなってきています。一般的なカタログに載っていないような自分好みのこだわりのカラーコーディネートをシュミレーターから探し出すことも可能ですし、気軽に様々な色を試せるので新たなコーディネートの発見も生まれるかもしれません。シュミレーターで気になった色を、実際にサンプルを取り寄せたりショールームで比較してみることで、効率よくスムーズに内装を決めていくこともできます。まとめいかがでしたでしょうか。新築やリフォーム時の内装は自由度が大きい分、ポイントを押さえて組み合わせていかなければ理想とかけ離れた空間になってしまうことも考えられます。目指す空間のイメージを膨らませ、カラーコーディネートの黄金比や配置する家具との相性などを考慮しつつ、トータルコーディネートを完成させてください。