家具の配置が難しいとされる正方形型のリビングダイニングを、インテリアコーディネートのプロが実際にレイアウトした実例を紹介します。事前に知っておきたい基本情報や、正方形のお部屋ならではのコーディネートポイントもぜひ参考にしてください。10畳の正方形リビングダイニングでレイアウトする際のサイズ感正方形の10畳の広さは、16.2㎡が目安です。縦横のサイズは約4メートルほどになるため、2×1メートルサイズのシングルベッドが、約8台ほど収まる広さになります。16.2㎡は1畳換算で1.62㎡という広さで、不動産業界が独自に設定している目安の大きさです。実際のところは、地域によって「1畳の大きさ」に違いがあるため、住む場所によって10畳の広さに差があります。1畳10畳 換算特徴団地間1.7×0.85m約14.45㎡・高度経済成長期に団地が多く建 設された際にできた規格・全国的にどの地域でもある江戸間1.76×0.878m約15.45㎡・関東を中心としたエリアで見ら れる・中京間や京間と比べると小さい中京間1.82×0.91m約16.56㎡・愛知県、岐阜県、三重などに多 いタイプ・不動産業界の基準の1.62㎡にも 近い・東海エリア以外にも全国の色々 な場所で見られる京間1.91m×0.955m約18.24㎡・関西、四国、中国地方、九州な ど西日本エリアで多く見られる例えば、最もサイズが小さい団地間からサイズ感の大きい京間を比べると、同じ正方形の10畳でも縦横幅が約50cm近く違います。京間の部屋から団地間に引っ越す際、どちらも同じ10畳表記であっても、実際の部屋は思っていた以上に部屋が狭く感じる場合もあるということです。10畳の正方形リビングダイニングのレイアウトは一般的ではない?正方形のリビングダイニングは、一般的な長方形タイプよりも総数は少なめのお部屋です。長方形型と正方形型のリビングダイニングの違いや、それぞれの特徴について簡単に解説します。長方形型のリビングダイニング長方形型のリビングダイニングは、多くの間取りで見られる一般的な形です。大きく分けると「縦型」と「横型」の2つのタイプになり、それぞれ使い勝手や特徴が違います。リビングダイニングのタイプ特徴長方形の縦型・一部屋の壁が占める面積が多い長方形の横型・窓が占める割合が多く開放感が ある壁に沿って家具を配置しやすいのが縦型リビングダイニングで、部屋を区切ってリビングとダイニングの機能を分けやすいのは横型です。縦型は壁に沿わせる形で家具を配置するため、レイアウトも比較的決まりやすいタイプです。横型は縦型タイプより配置できる家具数は少なくなりますが、正方形型に比べると家具の配置はしやすく、レイアウトしやすい部類のお部屋と言えるでしょう。正方形型のリビングダイニングリビングダイニングに入ると、縦も横もほぼ同じ長さになっているのが、正方形型の間取りです。10畳以下だと置ける家具も限定的になりますが、10畳以上の広さであれば、ダイニングテーブルやソファなど色々な家具を配置可能でレイアウトしやすいです。配置の自由度は高い反面、設置する場所によっては「不要な空間」「使い切れていない空間」が生まれやすく、レイアウトの難易度は長方形型よりも高めです。10畳の正方形リビングダイニングレイアウトのメリット正方形で10畳のリビングダイニングのレイアウトをする際、主に6つのメリットがあります。自由にレイアウトしやすい空きスペースを活用しやすい大きめサイズのソファも配置できるおしゃれにしやすく独自性も出せる大きめの窓になることが多く開放感がある会話のしやすい空間になるそれぞれの利点について、くわしく解説します。自由にレイアウトしやすい縦型や横型の長方形リビングダイニングと比べると、正方形の間取りの方が家具を配置できる自由度が増します。家具を真ん中に配置したり壁際に沿わせることも可能で、どのようなレイアウトも対応しやすいため、インテリアコーディネートの楽しみがあるお部屋と言えるでしょう。空きスペースを活用しやすい正方形型の間取りは、ソファ・ダイニングテーブル・リビングなど、どの家具を配置した場合も「余白」ができやすいお部屋です。設置する家具を最小限にすれば、フリースペースとして広い空間を作れます。色々な家具を配置した場合も、生活動線以外のスペースがあるため、必要に応じて収納家具を壁際に設置したりレイアウトの幅が広がります。大きめサイズのソファも配置できる長方形型の間取りでは設置しにくい、大きめサイズのソファも、10畳で正方形型の間取りなら余裕をもって配置できます。一般的な2シーターや3シーターサイズのソファはもちろん、L字型の大きめサイズのソファも余裕をもって設置できます。ソファダイニングを利用すれば、リビングとダイニング機能が一体化ができるため、よりスペースを広く確保できるでしょう。おしゃれにしやすく独自性も出せる正方形型のリビングダイニングは長方形型に比べて数が少なく、やや珍しい間取りです。長方形型の間取りは見慣れているため、レイアウト次第では「ありきたりな部屋」になりがちです。一方で正方形型の間取りは、あまり見慣れていないこともあり、おしゃれに見せやすいという特徴もあります。大きめの窓になることが多く開放感がある正方形型の部屋は、長方形型より窓口が広めに取られているケースが多く、開放感を感じやすい間取りです。開放感をなくさないために、背の低い家具を中心に選んだり、抜け感を意識したレイアウトを検討すると良いでしょう。会話のしやすい空間になる正方形型の間取りは、長方形型に比べて部屋の中心部分に人が集まりやすく、どの場所からでも同じぐらいの距離感があります。そのため、友人や知人を家に呼んで、隠れ家のように利用したい人にも正方形型の間取りがおすすめです。10畳の正方形リビングダイニングレイアウトならではのデメリット10畳で正方形型の間取りならではのデメリットや、注意点について解説します。ダイニングとリビングをはっきりと分けにくい長方形型の間取りに比べて、正方形型のお部屋はダイニングとリビングの仕切りを入れにくいお部屋です。変に仕切ってしまうと、開放感のある雰囲気がなくなってしまったり、中途半端な印象になってしまう可能性もあります。正方形型のお部屋は、ラグや照明などの組み合わせで「統一された空間」をレイアウトし、視覚的に部屋の機能を分ける方法がおすすめです。レイアウト次第でスペースが無駄になる長方形の縦型レイアウトの場合、家具を壁際に沿わせるように設置するため、ほとんど無駄な空間はできません。一方、正方形型を同じように壁際に配置すると、広めの空間を持て余してしまう可能性があります。壁に家具を沿わせない場合でも、余った空間の使い方や見せ方をイメージできていないと、無駄なスペースの多いお部屋に感じてしまうため注意が必要です。自由度が高い分だけレイアウトの難易度も高い正方形型の間取りは自由に家具を配置しやすい反面、おしゃれさと生活しやすさを両立させるのが難しく、レイアウトの難易度は高めです。例えば「ソファとテレビの距離感」は、長方形型より正方形型の部屋の方が遠くなりやすく、何かしらの工夫が必要です。正方形型ならではのレイアウトポイントは、この後の弊社事例を交えつつ詳しく紹介します。10畳の正方形リビングダイニングレイアウトのポイント正方形型のリビングダイニングをレイアウトする際、3つのポイントを注意しておきましょう。主役となるソファ選びにこだわるむやみに家具をおきすぎないテレビとソファの距離感を工夫するそれぞれの注意点の詳細を解説します。主役となるソファ選びにこだわる正方形型の間取りは、長方形型のようにリビングとダイニングを明確にゾーニングしないケースが多いため、必然的に家具の主役はソファになりやすいです。お部屋のメイン家具となるため、中途半端なものを選んでしまうと部屋全体に影響してしまいます。思い切って、L字型の大きめサイズのソファにしたり、高品質なブランドの質感の高いソファを選ぶ方法もおすすめです。むやみに家具を置きすぎない長方形型の間取りは、配置する家具のイメージもつきやすく、不要な家具を選ぶことは少ないです。一方で正方形型は、家具を配置した後の想像がしにくく、必要ない家具まで置いてしまいがちな傾向があります。正方形型は開放感を出しやすい点も魅力ですので、家具の置きすぎで利点を無くしてしまわないよう注意しましょう。テレビとソファの距離感を工夫する長方形型のように「壁際にソファを配置し反対の壁際にテレビを配置」した場合、正方形型の間取りはテレビとソファの距離が遠くなりすぎる傾向があります。ソファをテレビ側に近づければ距離の問題は解決しますが、ソファの後ろに余った空間ができるため、どのように空間を使い切るかも考えなくてはいけません。10畳の正方形リビングダイニングをおしゃれに見せるレイアウト正方形型のリビングダイニングをおしゃれに見せるために、実践しやすく真似しやすいコツをいくつか紹介します。ダイニングテーブルを壁付けせずに配置ダイニングテーブルを壁際に配置せず、部屋の真ん中にレイアウトした方法です。もともと壁付けしないラウンド型のダイニングテーブルとの相性がよく、テーブルの位置が定まるため、ソファやテレビの位置もイメージしやすくなります。印象的なデザインのテーブルは、インテリアのアクセントとしても活躍できるためおすすめです。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・しっぽりと過ごしたい夜に照明とダイニングテーブルで空間を作る長方形型のお部屋と比べて、正方形型の部屋は明確なゾーニングがしにくいため、視覚的に機能を分ける方法がおすすめです。例えば、事例のように照明とダイニングテーブルの組み合わせで「ひとつの空間」と認識させる方法などがあります。照明は質感や素材にもこだわり、全体のバランスを意識して、まとまりのある空間をイメージしてみてください。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・ホテルのような落ち着きのある大人のモダン観葉植物と間接照明を組み合わせる正方形型の間取りは、家具を配置した際に余分なスペースができやすいお部屋です。余った空間を埋める方法として、観葉植物と間接照明の組み合わせがおすすめです。観葉植物の裏側に間接照明を入れるだけで、お手軽におしゃれな空間にできます。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・和室がここまで生まれ変わりました正方形のリビングテーブルを選ぶ正方形型のお部屋のテイストと合わせるように、配置するリビングテーブルも正方形型のデザインを選ぶ方法です。正方形のお部屋の中心に配置するレイアウトは収まりがよく、正方形のテーブルを軸にしてソファ・照明・テレビ台などの位置を決められます。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・都内で働く紳士のセカンドハウス広めの生活動線は収納棚を置いて有効活用する正方形型の間取りで、ソファとテレビを適正な距離感で設置した際、ソファの後ろ側に広めの空間ができてしまうケースが多いです。生活動線としては、やや広すぎるスペースのため、空間を持て余さないよう壁付けの収納家具を設置した例です。生活感のあるものは、全て収納棚に入れることで、おしゃれでスッキリとしたリビングにできます。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・やわらかく、優しいインテリア10畳の正方形リビングダイニングのレイアウト実例紹介弊社Praemioが、実際に正方形型のリビングをどのようにコーディネートしたのか、実例を紹介をします。お部屋の写真を見ながら、レイアウトする際の参考にしてみてください。ソファとダイニングテーブルを横並びで配置正方形型のお部屋を、ヴィンテージテイストでまとめた事例です。書斎代わりにもできる木目調のダイニングテーブルを部屋の真ん中に配置し、横並びに同じテイストで小さめサイズのローテーブルを置いています。同じテイストのテーブルが連続するため、圧迫感を感じにくいように、どちらのテーブルも脚は「抜け感」のあるものを選び重くならないようにしました。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・シゴト帰りにお家に帰りたくなるように。L字型のソファを窓際に配置してスペースを広く特徴的なデザインをしたL字型ソファを、窓際に配置した例です。もともと開放感のある正方形型でありながら、さらに角部屋で、窓の占める割合もかなり多いお部屋でした。そのため、開放感を全面的に活かせるように、ロータイプで背もたれも自由に移動できるタイプのソファを選んでいます。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・ホテルのような落ち着きのある大人のモダンコの字型にソファを配置して空間を贅沢に使う正方形型のお部屋の大部分にソファを配置した、贅沢なレイアウトです。L字型のソファに加え、ベンチソファーを組み合わせて「コの字型」にしています。ソファの占める割合が多くなるため、テレビ台などは設置せず壁付けにしてスペースを確保しています。友人を呼んで談笑しやすく、隠れ家のような雰囲気にしたいときにおすすめのレイアウトです。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・和室がここまで生まれ変わりましたソファとは違うタイプの椅子を配置するコの字型のレイアウトに似ていますが、全て同じデザインのソファにせずに、あえて違ったタイプのパーソナルチェアを配置した例です。デザインは違うものの、ダークブラウン系で部屋の色味と合わせることで、統一感のあるお部屋にできます。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・都内で働く紳士のセカンドハウスソファとテレビの適正な距離感でレイアウトする日常生活で使い勝手の良いリビングにするために、ソファとテレビの距離感を意識したレイアウトです。テレビ台・ラグ・ローテブル・ソファを同じテイストにし、正方形のお部屋内で、さらにひとつの空間を作っているイメージです。正方形型のお部屋の場合、写真のような配置でソファの後ろには広めのスペースが生まれるため、壁際に収納棚を設置し無駄な空間を有効活用しています。〜上記で紹介している弊社事例はこちら〜・やわらかく、優しいインテリア10畳の正方形リビングダイニングをレイアウトする際のまとめ正方形型のリビングダイニングは物件数が少なく、長方形型のような見慣れた部屋でもないため、レイアウト次第でかなりおしゃれにできる間取りです。レイアウトの自由度も高く、家具を色々な方法で配置できる点が魅力です。その一方で、無計画に家具を置いてしまうと、空間を持て余してしまったり、見た目の違和感を感じるお部屋になってしまうケースもあります。本記事のPraemioの事例も参考にしながら、正方形型のレイアウトポイントを抑えたコーディネートを計画してみましょう。